グローバル企業が重視するエクイティという概念

ヤンセンファーマの若き日本人新社長が語る視点

ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマの日本法人新社長に2021年3月1日付で就任したのが關口修平氏だ。海外経験が長い關口氏が重視するのが、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」だ。日本においてそのカルチャーをどのように浸透・発展させていくのかを聞いた。

米国の大学に進学、グローバルで豊富な経験

關口氏は日本生まれで、大学は米ダートマス大学に進学。大学卒業後は米国で広告代理店、スタートアップ企業を経て米デューク大学で経営学修士号を取得。2004年に米ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)に入社した。米国、豪州、日本におけるJ&Jの医薬品部門でマーケティング業務などに携わり、16年には日本でヤンセンファーマの免疫・感染症事業本部本部長に就任した。19年からはヤンセン台湾のマネージング・ディレクターを務め、台湾での事業を大きく発展させた実績を持つ。

代表取締役社長
關口 修平

どの事業においてもリーダーシップを発揮し、結果を出してきた關口氏について、「外資系企業の経営トップ」というステレオタイプなイメージを持って会うと、実際の違いに驚くかもしれない。物腰の柔らかい笑顔で、關口氏は語る。

「もちろんリーダーは、戦略の策定などに当たって、時には周りに反対されても自分の信じる道を進むことが大切です。しかし、その信じる道を示すだけでは十分ではありません。大切なのは、その理由をしっかりと説明し、納得してもらうことです」

きっかけとなったエピソードもある。關口氏が免疫・感染症事業本部長に就任したときに「新たな治療領域への参入に経営リソースを割くことを、全事業部員の前で発表しました。社内で実は反対もあったようですが、そのときの自分には声が届きませんでした」と振り返り、結果的に新薬の上市などに成功はしたが、リーダーとして傾聴の姿勢が足りなかった当時を反省する。

グローバルでのビジネス経験の豊富な關口氏が重視するのが「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(多様性、公正性と包含性)」だ。「性別、年齢、国籍、文化など多様なバックグラウンドを持つ従業員一人ひとりの違いを受け入れ、個々人の能力を最大限に活かしていくことが大切です」。まず「聴く」という關口氏の姿勢もそこに理由がある。

J&Jならではの、エクイティ(公正性)を重視した取り組み

ヤンセンファーマは、J&Jの医薬品部門として、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」を経営上の重要な戦略と位置づけている。

「J&Jには、DE&Iに関するさまざまな従業員の有志のグループがあり、その1つがWLI(Women’s Leadership & Inclusion)です。私はWLIのスポンサーとして活動を後押ししています」と關口氏は話す。WLIは、「性差をなくし、多様で公正性が保たれ、インクルーシブな職場環境を醸成することで女性の活躍を応援する」ことが狙いだという。その先には、企業の競争優位を高め、そして人々の健康に貢献するというビジョンがある。

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