中堅・中小企業の経営者必見!
「経費精算」をIT化すると、
なぜ効率化とコスト削減ができるのか。
紙や表計算ソフトで
経費の精算をやっていませんか?
都内のある中堅OA商社のA社――。同社の社員のほとんどは営業スタッフだ。日中はほとんど客先への営業活動で外出している。夕方、帰社した後に、報告書などを作成することになるが、中でも、彼らの大きな負担になっているのが、交通費の精算だ。自分が使った交通機関の運賃をネットで調べて一つひとつ表計算ソフトに転記する。それをプリントアウトして上司に承認印を押してもらい、さらに経理担当者に提出する。経理担当者はこの用紙を見ながら、内容に誤りがないか、定期区間が控除されているかといったことをチェックし、さらに会計ソフトなどへ手作業で入力していく。
「中堅・中小企業では、よく見かける光景です。もちろん、必要不可欠な業務ではありますが、営業部門にとってはコア業務である営業活動に貢献しない無駄な業務とも言えます」と話すのは、企業向けにさまざまな業務効率化サービスを提案している、ラクス社長の中村崇則氏だ。
中村氏によれば、中堅・中小企業でも、財務会計や人事給与システムなどを導入しIT化を進める企業が増えている一方で、営業部門などの現場では、依然として前述したようなアナログな精算のやり方を続けている企業が少なくないという。
「交通費の精算業務のために残業するようなことでは、営業部門本来の業務に支障を来し機会損失になるだけでなく、人件費増加にもなりかねません。ただし、これらの課題を解決し、コスト削減にもつながる方法もあります」と中村氏は話す。
単純作業のIT化は
大きなコスト削減が期待できる
中村氏は、中堅・中小企業がITを活用し、業務効率化やコスト削減に成功した事例を数多く見てきた。「まずは何のためにIT化を進めるのか、その目的をしっかりと議論することが大切です」。
多くの企業において、コスト削減は解決すべきテーマの一つに掲げられているが、その場合でもポイントがある、と中村氏は説明する。「人間がやらなくてもいい単純な作業をITにやらせることで、大きなコストである人件費を削減することができます。交通費などの経費精算は、その最たるものと言えます」。
旧態依然とした経費精算の仕組みでは、営業スタッフなどの社員は、申請業務を手作業で行うため、一定の時間が必要になる。それを承認する上司の作業も同様だ。経理部門では、申請が社内のルールに基づいているか確認する作業に多くの時間が取られる。内容に誤りがあれば、申請者へ問い合わせたり、差し戻したりしなければならず、さらに作業が増える。「これらの課題解決につながるのが、経費精算システムです。作業を軽減するとともにミスもなくなります」(中村氏)。
経費精算システムを導入すると、作業の内容も大きく変わる。たとえば、交通費や出張旅費の精算では、「乗換案内システム」を内蔵しているため、経路を入力するだけで自動的に金額が入力される。切符と交通系ICカードの料金が異なる経路も料金の選択が可能だ。この際、交通系ICカードの利用履歴を読み込み、そのまま申請することもできる。定期区間も自動控除されるので、確認の手間がない。
スマートフォンやタブレット端末にも対応しているので、申請者はもちろんのこと、上司などの承認者も外出先でいつでも申請や承認を行うことができる。さらに、会計ソフトに合わせた仕訳や振込データの作成まで自動で行うというから驚く。むろん、それぞれのフローはその進捗を一目で確認できるので、承認漏れを防ぐことができる。