コロナ後は「情報編集力」の時代へ オンラインならではの学びが社員を伸ばす

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社員の「学び」により企業の変化への対応力も向上する

――40代からの3歩目の足場がキャリアの大三角形の面積(希少性)を左右することになりそうです。この年代では自分のキャリアの終わりを意識する人も多いと思いますが、なぜそこから3歩目を踏み出す必要があるのでしょうか。また、踏み出すためにはどのような取り組みをすべきでしょうか。

藤原 なぜ40代から3歩目を踏み出す必要があるのか。それは、40代ではまだ人生が半分も残っているからです。人生100年時代になっています。定年退職したとしても、まだ数十年の時間が余ってしまいます。昭和・平成の時代であれば、人生は「富士山型」で山は1つでよかったでしょう。しかし、令和の時代には「八ヶ岳型」で、いくつもの山の峰が連なっているような人生がいいのです。

それを実現するためには、3歩目を踏み出す前の準備として「モードの変更(モードチェンジ)」をしておくといいでしょう。できれば、日頃自分が携わっていない業務について学ぶ機会が欲しいところです。最近では、オンラインでさまざまな学習ができるようになっています。早くから準備していた人とそうでない人とでは大きな差になります。

――企業にとっても、社員が「情報編集力」を身に付け、キャリアの大三角形の面積を拡大するメリットがありそうです。

藤原 そのとおりです。VUCAの時代といわれるように、企業の経営環境も予測が難しくなっています。例えば、EV(電気自動車)の普及により、産業構造そのものが変わってしまうでしょう。先が読めない中で、企業自身がその時々の変化に対応し生き残るためには、社員一人ひとりの価値を上げていくしかありません。僕はそれを「ベクトルの和」と呼んでいます。会社のベクトルと社員のベクトルは当然違いますが、両者の力を合わせることでより大きな力(シナジー)を発揮することができます。

キャリアの掛け合わせの方法は無限大です。試行錯誤のためにも、少しでも興味がある分野があればのぞいてみるといいですね。企業も、社員に対して、そのような学びや体験の場を提供するといいでしょう。

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