環境への貢献をかたちに
不二サッシのメガソーラーを支える
保守サービスのちから オムロン フィールドエンジニアリング

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安定稼動を実現する
遠隔監視保守サービス

不二サッシのメガソーラーは、屋根に設置した太陽光パネル計4208枚の発電量が1000キロワット(1メガワット)級。設置費用回収に要する期間は10年未満で、それ以降は売電収入や発電量がむしろ利益になる。

不二サッシ取締役
常務執行役員管理本部長
石堂 金也

しかし、メガソーラーの設置には、不安もあった。太陽光発電の固定価格買取制度の買取期間は20年。だが、本当に発電能力を維持し、所期の目標を達成できるかどうか、を予見するには、太陽光発電の実績、データが不足していた。不二サッシ取締役常務執行役員管理本部長の石堂金也氏は「社会的責任として環境負荷を低減させることが第一の目的、売電で稼ごうという訳ではありません。しかし企業として、採算性を管理できる投資にすることは大事でした」と話す。

採算性管理には、長期にわたって安定的な運転を確保することが大きなカギになる。そこで、同社は、トラブル検知や保守サービスの内容など、長期稼働を裏付ける仕組みを重視して、施工業者の提案を比較検討した。その中でオムロン フィールドエンジニアリングの、「遠隔監視システム」と「保守サービス」を一体化した「ソラモニ」の提案は、独自に蓄積したノウハウに基づいて高度化された異常検出技術や、パワコン単位の大括りな計測ではなく、太陽光パネルとパワコンを繋ぐ接続箱単位での細かな計測により異常個所を特定しやすい仕組みになっていること、海に近い立地を考慮した塩害対策施工などの点で充実していて「よく納得できる内容だった」(外山氏)という。

安心の生産現場へ
太陽光発電を拡充

東日本大震災後、不二サッシは、東北地方の協力会社に飲料水や生活支援物資を送るといった経験を通して、災害への備えを見つめ直した。千葉工場では、事業継続のために、地下水膜ろ過システムを設置。災害などの緊急時は近隣住民にも地下水を利用してもらえるようにした。

屋上一面に太陽光発電パネルが設置された千葉工場

さらに、2014から2016年度の中期経営計画「躍進」では、1965年完成の千葉工場をはじめ、半世紀近く経過した生産現場の更新を打ち出した。震災などに備えて、工場を強靱化することで従業員らの安全安心を確保。同時に、エネルギー効率の高い最新設備の導入によって環境負荷低減を目指す。その一環として、太陽光発電設備も拡充を計画している。既に、同社では、グループ企業への導入を検討しており、環境負荷低減を進めていく方針を掲げている。

今回のメガソーラー導入に当たって、不二サッシは多くの貴重な経験をした。国の固定価格買取制度活用のための膨大な手続もこなし、太陽光発電パネルを屋根に載せる建物の強度などについて慎重に検討して、課題をクリアしてきた。

外山氏は「専門知識を持つオムロン フィールドエンジニアリングから受けた提案、サポートは大きな助けになりました」と振り返る。石堂氏も「メガソーラー実現を通して得た知見やノウハウが、当社の力になり、次のビジネス展開につながれば」と期待する。

環境や社会への貢献、事業継続、そしてビジネスの新展開へ。メガソーラーは、不二サッシの未来に大きなパワーをもたらした。