サーベラスは質問せず、西武総会に隔世の感 昨年のTOB騒動は何だったのか!?

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西武HDの株主総会が開かれた、埼玉県所沢市の会場

昨年と比べれば“穏やかな”株主総会だった――。西武ホールディングス(HD)は6月25日、9回目となる定時株主総会を開催した。

思い返せば、昨年の株主総会は緊張感に包まれていた。上場が目の前にまできていた状況の中、売却を念頭に2000円前後での株式上場を想定していた筆頭株主の米投資会社サーベラスと、2000円の株価は割高と見る西武側が対立。

事態は徐々に深刻化し、ついにサーベラス側は株式価値の向上やガバナンスの強化などを名目に1株1400円でTOB(株式公開買い付け)を実施。さらに、株主総会議案として、元米副大統領でサーベラス会長でもあるダン・クエール氏や元金融庁長官・五味廣文氏ら8名の取締役就任を提案した。

会社側もサーベラス側の提案に反対の意を表明し、西武HDとサーベラスの対立は株主総会でピークに達していた。事前のTOBでサーベラス側が過半数の株数を獲得できなかったことなどから、最終的に提案は否決されたものの、総会は4時間50分にも及ぶ長丁場となり、一般株主も含めた侃々諤々の議論が繰り広げられた。

それから1年、両社の関係が改善し、4月23日には東証1部に上場を果たした。初値は1600円だったが、好業績や品川・高輪をはじめとする優良保有資産が評価され、現在、株価は2000円前後で推移している。あの騒動は何だったのかとさえ思えてくる。

出席者数はほぼ半減

この日の出席者数は448名、昨年の940名からほぼ半減した。昨年は出席者が多く、開始が13分遅れたが、今年は予定通り10時から始まった。議事は「監査報告」に続き、映像による「事業報告」「対処すべき課題」が報告され、その後、会社提案、株主側提案の議案の説明が行われた。

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