日常を変えるシミュレーション
アイデアをより確かなものに
CAEは医療分野へ
自動車と並んで注目されているのが医療分野での活用だ。大古社長は「実験を行うことが許されない人体を対象にした医療は、CAEのシミュレーション、解析が最も貢献できる分野の一つです」と、期待を寄せている。
「和歌山労災病院脳神経外科の河野健一先生は、脳の血管がコブのように膨れる脳動脈溜の流体解析を実施しています。まず、CTスキャンで脳を撮影して脳動脈瘤の3D画像を作ります。その3D画像を用いて流体解析を行うと、血液の流れ方や圧力のかかり方がわかります。こうすることで、脳動脈瘤の治療補助に利用できることが期待されます。これらは患者のためだけでなく、医師の養成にも一役買うと思っています。今までは、先輩医師の横について経験を積むしかなかったわけですが、それに近い知見を得る機会が飛躍的に増えるでしょう」。
製造業の時間とコストの削減から、医学への貢献まで、あらゆる分野で活躍しているアンシスのCAE。今この瞬間にも、新たな価値を生み出すべくシミュレーションを続けている。