死刑判決、座間9人殺害「巧みな人心掌握」の恐怖 狩りを楽しむように女性を絡め取っていた

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白石被告の場合、4人目の被害者を殺害する前に、すでにアパートに寝泊まりしていたもう1人の女性がいた。この女性も自殺をほのめかして、誘い出していた。だが、殺してはいない。

その理由を検察に問われると、こう答えている。

「お金になると思いました」

「個人的な情報、悩みなどを聞くうちに、収入があることがわかり、お金になると思いました」

その女性の職業については、「夜の商売です」とだけ答えている。

そもそも、この犯行に至った最初の動機は「ヒモになりたい」ということだった。そこに性的欲求が加わり、女性を誘い出し、金づるにならないとなると、性的暴行を加えてから殺害する。

では、その女性とは性行為に及んだのか。検察が問うと「いえ、していません」ときっぱり答え、その理由をよどみなくこう説明している。

「性行為をしたほうが親密になる女性と、性行為をしないほうが親密になる女性(がいる)と経験からわかっていたので、しないほうがお金を引っ張れると(思って)、しませんでした」

「夜の仕事で身体を触られて、プライベートで触られるとウンザリする女性がいることは、スカウトでわかっていたので、しませんでした」

少なくとも彼なりにそこもよくわかっていた。

信頼、依存、恋愛のいずれかを抱いていると感じた

しかも、金を引っ張れると思った理由について、次のように語っている。

「本当に雰囲気でしか言いようがないですが、私に対して、信頼、依存、恋愛のいずれかを抱いていると感じとったからです」

そして、4番目に犠牲となる女性とアパートの最寄り駅で落ち合う約束を取り付ける。だが、アパートに連れ込むとなると、すでに寝泊まりしているもう1人の女性と鉢合わせになる。そこで、

「事前に、友人が遊びに来るからと話して、アパートから出て行ってもらうように言っていました」

実際には、この女性は犯行当夜、駅前のカラオケ店で過ごしている。その間に、白石被告は4番目の女性をアパートに招き入れると、短時間のうちに、

「お金は引っ張れなさそうと判断しました」「雰囲気から収入がなさそうと感じました」

という理由で、ほかの被害者もそうであるように、いきなり背後から襲い、失神させてから性交すると、ロープを首に巻き、そのままロフトを利用して吊して殺害している。

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