事業戦略を支える人事の挑戦 SAP HR Connect Autumn 2020
SAP HR Connect Autumn 2020 オンデマンド視聴はこちら
協賛:日本アイ・ビー・エム、アビームコンサルティング、オデッセイ、クレスコ・イー・ソリューション、デロイト トーマツ コンサルティング、日本情報通信、PwCコンサルティング、ビッグドライブ
協力:東洋経済新報社
Day1
ニューノーマル時代の人事・人材育成の取り組み
NTTドコモの完全子会社化を決めて、さらなる総合的ICT企業への進化を図るNTTの小田晃弘氏は、さまざまな社会経済の課題をDXで解決することを目指す同社が取り組む人材戦略を紹介した。グループ従業員約30万人を擁する同社は、タレント情報を見える化し、データ駆動型人材育成、効果的な人材配置を実現するため、グループ内の約90社、約20万人を対象に「SAP SuccessFactors」を導入。業務標準化を進め、アドオンを抑制する方針で、プロジェクト着手から1年でサービス開始にこぎ着け、従来システムに比べて約3割のコスト削減を果たした。ニューノーマルへの対応では「リモートワークに適したマネジメントや評価、ジョブ型人事を検討する必要性」を指摘。
SAPジャパンの佐々見直文氏との対談では、非正規社員を含む従業員のキャリア形成、スキル向上のための環境整備がグループの成長に重要として「一社員の目線を大切に人事施策に取り組みたい」と話した。
Day2
加速するSAPのデジタルトランスフォーメーションと人事制度改革
SAPジャパンのオリガ・ズグルスカヤ氏は、継続的に進めてきたHR変革のジャーニー(旅)を振り返った。同社は、世界各地に分散していた人事機能のシェアードサービス化、クラウドサービス化などを推進。一方で、HR専門スタッフが従業員と遠隔で個別面談をしたり、育児や入社直後などの場面に応じたニーズをシナリオ化してサービス提供したりすることで満足度も高めてきた。今後は、多様性や組織の健全性などの指標を策定。「リーダーシップ向上などのための人事施策が、組織にもたらすインパクトを測定したい」と語った。
続いてSAPジャパンの石山恵里子氏が、改革されたSAPの人事制度を説明。2012年のSuccessFactors社買収後から、職種やグレード別に責任範囲や役割、必要な経験などを定めたジョブ型人事制度に移行。報酬もジョブに連携させつつ、地域市場水準に合わせる仕組みにした。また、17年には点数評価を廃止し、対話を通じたパフォーマンス管理に移行。キャリア開発も、熟練より新しい業務への挑戦を促す。DXで「意欲なども把握できるようになった。タレント人材には、経験の機会を与え、成長を促す施策を進めたい」と語った。
Day3
ニューノーマルヒューマンマネジメント
~HR Techを企業が今活用するべき5つの論点~
未来のことと思われていたAI(人工知能)実用化や、今まで予測もされなかったコロナ禍でのニューノーマルな働き方など、さまざまな課題が2020年の世界に突きつけられている。日本アイ・ビー・エムの久保田勇輝氏は、これらの課題解決に当たっては「本来やりたいことを見定めることが大事」と強調。HR Techを活用するポイントを挙げた。例えば、日本型雇用の限界という課題には、ジョブ型雇用、タレントマネジメントといったバズワード的な解決策が示されることが多いが、「本来解決すべきなのは適材適所の人材配置のはず」と指摘。まず現在と将来の事業に必要な職種・スキルを定義することで、不足している人材がHR Techで「見える化」でき、ギャップを埋めるためのアクションが取れるようになると説明。「5年、10年後の未来の事業・人事業務のための備えを今から進めて、コロナのような不測の事態にも柔軟に対応できるHRシステムを整えなければならない」と訴えた。