くしゃみクライシスがやってくる! ウィズコロナ時代の花粉症への備え方

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そうなると一人ひとりがしっかりとした花粉症治療を行うことが必要だと思われるが、コロナ禍により、医療機関への受診・通院から足が遠のいている人も多いのではないだろうか。

舘田氏は「先ほどリスクの話をしましたが、リスクが複数重ならないようにすることが重要です。例えばマスクをしていないから即座に感染するというものでもなく、その時の行動や環境も大きく関わってきます。過度に反応することによる差別や偏見はあってはならないと考えています。医療機関などでは集団感染を防ぐために、さまざまな対策を行っているので、必要な受診は差し控えないでいただきたい」と話す。

大久保氏も「医療機関でのクラスターは、そのほとんどが入院病棟で起こっており、外来患者へのクラスター感染は報告がありません。そういう点でも、花粉症の患者さんはできるだけ早く受診して、なるべく、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの感染のリスク要因を治療し低減させることが大切です」と話す。

花粉症には軽症から最重症までのレベルがある

花粉症は今や日本の国民病ともいわれているが、本格シーズンの春にむけて、新型コロナと花粉症の合併によるリスクをどう防ぐべきか。そこで気になるのが、本格的に医療機関で花粉症の治療をする人がまだ少ないという現実だ。大久保氏はその原因を次のように話す。

「ご自身の症状レベルを把握していない方がまだまだ多いです。1日に鼻を11回以上かむような人、くしゃみの発作が11回以上ある人、鼻づまりが非常に強くて口呼吸が1日のうちかなりの時間ある人、どれか1つに該当すれば重症だと考えられます。重症の患者さんはぜひ医療機関を受診していただきたいと思います」

花粉症には軽症から最重症までのレベルがあり、それによって治療法も変わるのだが、重症度にかかわらず多くの人が医療機関を受診せず、自己判断で対策を行っていることに問題があるという。しかし例えば1日に何度も鼻をかむ人は、その分の時間をロスしているだけでなく、それだけマスクを外していることによる感染リスク、顔を触ることによる感染リスクも高まるのだ。

大久保氏は、「これらのリスクをできるだけなくすようにするのがウィズコロナ時代における呼吸器疾患治療の役割だと感じています。最近では花粉症治療法の選択肢も増えています。ぜひ専門の医師を受診し、重症度に合った治療を受けてほしいと願っています」と話す。

舘田氏は「新型コロナウイルスそのものが数年で地球上からなくなるとは考えられません。今後もずっとコロナと付き合っていかなければならないでしょう。過剰に恐れるのではなく正しく恐れるためにも、しっかりと理解し、新型コロナウイルスも花粉症も、できる対策をやっていくことが大切です」と結んだ。

その言葉どおり、花粉症の症状がある人、一人ひとりが、早期に専門の医療機関を受診し適切な治療を受けることが、ウィズコロナ時代に求められる花粉症治療である。