マーケティング・オートメーションで、
効率的に見込み客を獲得する
Eloquaで精度を上げる富士ゼロックスのアプローチ
富士ゼロックス・シンガポールのマーケティングマネジャー、ガブリエル・コウ氏の悩みは、おそらくマーケター共通の課題だろう。マーケティング予算が圧縮されるなか、どうやって投資効率を高めるか。マーケティングリソースをいかに最適化して最大の効果を得るのか。
コウ氏が最初に取り組んだのはリード(見込み顧客、引き合い)の問題だった。イベントを開催すれば、リードを獲得することは難しくない。だが、成約に結びつくのはごく一部で、大半のリードは適切なフォローができていなかった。同社は2009~10年度に57のイベントを開催して、約2000のリードを獲得した。うちセールス部門が商談をしたのが285件で53件が成約。一方で、88%は商談を含めたフォローができず、商談相手で成約しなかった74%も、未決で置かれたままになって、進捗状況などの把握もできていなかった。
「マーケティングリソースに大きなムダがあるのではないか。もっと上手にリードを管理できないだろうか」。そう考えたコウ氏がたどり着いたのが、オラクルが提供するマーケティング・プロセスの自動化ソリューション「Oracle Eloqua Marketing Cloud Service」(以下Eloqua)だった。Eloquaは、マーケティングとCRM情報を連携させたプロファイリングや、デジタル・ボディ・ランゲージ(ウェブ上での行動履歴)などの解析テクノロジーを駆使して見込み客のターゲティング、スコアリングを行い、より効率的なアプローチを可能にするものだ。
コウ氏は、社内のステークホルダーにマーケティング・オートメーションのメリット説明に奔走して、Eloqua導入の合意を取り付けた。その後も、リード・スコアリングのやり方を説明するワークショップなどの教育・啓蒙活動にも注力して、マーケティング・オートメーションに対する社内の理解を深めることにも気を配った。コウ氏は「Eloquaにはユーザーグループがあり、フォーラムで質問すれば、有意義な回答を得ることもできます」と、社内を説得するための情報収集の重要性を強調する。