【京大R/Leadプロジェクト】
グローバル人材育成の場を支える
英語力評価サービス「Aptis」
ブリティッシュ・カウンシル
そのブリティッシュ・カウンシルが開発した英語力評価サービスが、世界中の企業、教育機関、団体で導入されている先進の「Aptis(アプティス)」だ。
京都大学で実施された英語ディスカッション能力向上のための「R/Lead International Project」にも採用され、グローバル人材養成に向けた新たな取り組みに貢献している。
※R/Leadプロジェクトおよび文中の学年とタイトルは、取材時(3月)の情報です。
学生主体で実現した
グローバルキャンパス
昨年12月。R/Leadプロジェクトの最終コンペティションが行われた京都大学の吉田国際交流会館は、英語でディスカッションやプレゼンテーションをする約100人の学生らの熱気に包まれていた。
このプロジェクトは、事務局、議論をリードするファシリテーターともに学生が担当。6~7人のチームに分かれた学生たちは毎週、指定図書60タイトルの中から選んだ本を読んだ上でディスカッションを行った。たとえば、従軍記者のノンフィクションを共通の知識ベースとして、そこから戦争報道の倫理、あり方に議論を展開することで、多様なバックグラウンドを持つ参加者が意見をのべられるようにした。単位のつかない、学生の自発的活動というプロジェクトにもかかわらず、当初予定の60人を大幅に超える100人以上が参加。10月から11週間にわたり、毎週1~2回(1回45分)ペースで、英語の本を多読するとともに議論を行い、英語で即応する発信力を鍛えた。事務局の法学部3回生の谷修造さんは「他大学の学生や職員の方からも問い合わせがあるなど、多くの方から関心が寄せられ、学年、学部ともに多様な学生が集まりました」と話す。
ただ、学生同士のディスカッションの質を高く保つには工夫がいる。そこで、同プロジェクトは、各チームの議論をリードするファシリテーターの養成に注力。英語力の高い留学経験のある学生や留学生の中から、熱意を持った学生を選抜。ブリティッシュ・カウンシルが提供した特別研修で、ファシリテーターとしての役割、参加者の発言を引き出すテクニックなどを学んだ。ファシリテーターの一人、法学部1回生の庄野裕貴さんは「発言に対して反応する、特定の人に発言を偏らせない、うまく伝えられない人には『こういうことですか』と問いかける、といったことを心がけました。回を追うごとに、メンバーの"反応速度"は確実に向上しました」と語る。