次代を見据えた「システム建築」の魅力 高い鋼構造技術でありながら短工期・低コスト

工場・倉庫建設の新たな潮流「システム建築」
「ここ数年、一般的な在来工法ではなく『システム建築』で工場や倉庫を建てたいというご相談が急速に増えています」と話すのは、日鉄エンジニアリング システム建築営業室長の岩田正幸氏だ。
日鉄エンジニアリングは、新日鉄(現・日本製鉄)のエンジニアリング部門としてスタートし、2006年に分社・独立して誕生した。

建築営業部
システム建築営業室長
岩田 正幸
「システム建築とは、基礎や鉄骨・屋根・外壁・建具などの構成部材の『標準化』とそれぞれを効果的に活用できるよう営業、設計から部材の製造、施工までの一連の建築生産プロセスをシステム化することにより、建物の効率的な提供と品質の安定を実現するものです」(岩田氏)
というと、規格品の部材で建設された仮設的なものとイメージする人がいるかもしれないが、それは誤解だ。
「システム建築は建築生産プロセスをシステム化していますが『スタンパッケージ』は、お客様のニーズに柔軟に対応できるよう商品化しています。また、標準部材や設計・施工方法のルール化により、施工者が異なっても高い品質が安定的に確保されます」と岩田氏は説明する。
日本製鉄グループとしての豊富な実績と安定供給
注目を集めているシステム建築だが、実はその歴史は長い。岩田氏は「当社がシステム建築商品『スタンパッケージ』を開発、販売開始したのは、1972年のことです。以来約50年間、工場・倉庫・事務所などを中心に1万棟以上の実績があります」と話す。




スタンパッケージ-R 実績
同社はまさに業界のパイオニア的存在だ。最近ではシステム建築を提供する会社はいくつかある。その中で日鉄エンジニアリングの強みはどこにあるのか。
「鉄鋼メーカーとして培った鋼構造技術を生かして独自開発した商品があり、それを継続的に改良しながら販売していることが特長の1つです」(岩田氏)
例えば基礎については、「SPパックFシリーズ」がある。これは薄板鋼板型枠、鉄筋、アンカーボルトを現場でセットするだけという省力施工の基礎部材だ。専門技能工に頼らず、「在来基礎工法に比べて、工数は約半分、工事期間は約3分の1で施工可能です」(岩田氏)というから驚く。ちなみに、地盤の弱い杭基礎や2階建て、高床式の建物などにも対応できるという。

昨今、全国的な資材不足や価格上昇の影響で、一部の建設現場では施工が中断するといった事態も起こっている。だが、その点でも日鉄エンジニアリングは安心だ。
「当社はもともと新日鉄(当時)の社内部門として発足しました。このため、現在も調達に関しては日本製鉄のグループ力を活用した安定調達が可能になっています」と岩田氏は話す。もちろん、品質についても折り紙付きだ。
「『スタンパッケージ』は建物の形状だけでなく、屋根や外壁、室内環境についても豊富なバリエーションがあり、最近では、工場・倉庫だけでなく、商業施設やスポーツ施設などの施工事例も増えています。『これをスタンパッケージで建てられないか』といった企画段階からのご相談もいただきます」と岩田氏は話す。


スタンパッケージ-R 実績