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次代を見据えた「システム建築」の魅力 高い鋼構造技術でありながら短工期・低コスト

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  • 日鉄エンジニアリング 制作:東洋経済ブランドスタジオ
多くの日本企業にとって今、「将来どのように成長すべきか」という問いが突きつけられている。工場や倉庫などの設備投資のあり方もその一つだろう。そこで注目されている技術が「システム建築」だ。建物を構成する部材を「標準化」することで、短工期・低コストを実現する。最近になってシステム建築を提供する会社も増えているが、その中でも高い商品力と顧客対応力を誇るのが日鉄エンジニアリングだ。500~3000m2程度の工場や倉庫だけでなく、3万m2クラスの中規模物流施設に対応できるのも同社ならでは。全国各地の施工店とのパートナーシップで事業を展開しているのも大きな特長だ。

工場・倉庫建設の新たな潮流「システム建築」

「ここ数年、一般的な在来工法ではなく『システム建築』で工場や倉庫を建てたいというご相談が急速に増えています」と話すのは、日鉄エンジニアリング システム建築営業室長の岩田正幸氏だ。

日鉄エンジニアリングは、新日鉄(現・日本製鉄)のエンジニアリング部門としてスタートし、2006年に分社・独立して誕生した。

日鉄エンジニアリング
建築営業部
システム建築営業室長
岩田 正幸

「システム建築とは、基礎や鉄骨・屋根・外壁・建具などの構成部材の『標準化』とそれぞれを効果的に活用できるよう営業、設計から部材の製造、施工までの一連の建築生産プロセスをシステム化することにより、建物の効率的な提供と品質の安定を実現するものです」(岩田氏)

というと、規格品の部材で建設された仮設的なものとイメージする人がいるかもしれないが、それは誤解だ。

「システム建築は建築生産プロセスをシステム化していますが『スタンパッケージ』は、お客様のニーズに柔軟に対応できるよう商品化しています。また、標準部材や設計・施工方法のルール化により、施工者が異なっても高い品質が安定的に確保されます」と岩田氏は説明する。

日本製鉄グループとしての豊富な実績と安定供給

注目を集めているシステム建築だが、実はその歴史は長い。岩田氏は「当社がシステム建築商品『スタンパッケージ』を開発、販売開始したのは、1972年のことです。以来約50年間、工場・倉庫・事務所などを中心に1万棟以上の実績があります」と話す。

一歩先行くシステム建築「スタンパッケージR」
工場
工場
倉庫
事務所
スタンパッケージ-R 実績

同社はまさに業界のパイオニア的存在だ。最近ではシステム建築を提供する会社はいくつかある。その中で日鉄エンジニアリングの強みはどこにあるのか。

「鉄鋼メーカーとして培った鋼構造技術を生かして独自開発した商品があり、それを継続的に改良しながら販売していることが特長の1つです」(岩田氏)

例えば基礎については、「SPパックFシリーズ」がある。これは薄板鋼板型枠、鉄筋、アンカーボルトを現場でセットするだけという省力施工の基礎部材だ。専門技能工に頼らず、「在来基礎工法に比べて、工数は約半分、工事期間は約3分の1で施工可能です」(岩田氏)というから驚く。ちなみに、地盤の弱い杭基礎や2階建て、高床式の建物などにも対応できるという。

スタンパッケージ独自基礎工法(SPパックF)

昨今、全国的な資材不足や価格上昇の影響で、一部の建設現場では施工が中断するといった事態も起こっている。だが、その点でも日鉄エンジニアリングは安心だ。

「当社はもともと新日鉄(当時)の社内部門として発足しました。このため、現在も調達に関しては日本製鉄のグループ力を活用した安定調達が可能になっています」と岩田氏は話す。もちろん、品質についても折り紙付きだ。

「『スタンパッケージ』は建物の形状だけでなく、屋根や外壁、室内環境についても豊富なバリエーションがあり、最近では、工場・倉庫だけでなく、商業施設やスポーツ施設などの施工事例も増えています。『これをスタンパッケージで建てられないか』といった企画段階からのご相談もいただきます」と岩田氏は話す。

スポーツ施設
店舗
スタンパッケージ-R 実績

地域に密着した施工店とのパートナーシップに特色

「スタンパッケージ」事業の大きな特長は、同社はあくまでも部材の生産・デリバリーに徹し、施主企業と契約し、施工を行うのが、「施工店」と呼ばれる地域の建設会社であることだ。

「地元の施工店が元請けとなることにより、地域固有のニーズにもきめ細かく対応できます。お客様に近い位置での施工対応や引き渡し後のアフターフォローも可能になると考えています」と岩田氏は説明する。

同社ではこれらのパートナー企業が集まる「スタンビルディング会(SB会)」という組織も運営している。SB会には、地域の建設会社のほか、商社、設計事務所、部材メーカーなどが参加しているという。

SB会に入会することにより、施工店は「スタンパッケージ」という高い商品力を自社事業のラインナップに加えることができる。「施工店の提案力をバックアップするツールの充実や情報提供にも力を入れています。当社独自の概略設計・見積システム『NSVENUS(NSビーナス)』もその1つです」と岩田氏は語る。

「NSビーナス」を利用すれば、建築CADなどの専門的な知識がない営業担当者でも概略計画図面(平面図・立面図・断面図など)が簡単に作図できるという。さらに外観イメージパースも描くことができるので、施主の理解も進むだろう。SB会に入会したことで、新たなビジネスチャンスを獲得できたと語る施工店が多いのにも納得がいく(次ページコラム参照)。

独自の鋼構造技術が生んだ「NSスタンロジ」

システム建築というと、「用途は小規模の建物に限られるのでは」との受け止め方が一般的かもしれない。だが、日鉄エンジニアリングはその常識を覆した。同社建築営業部 システム建築営業室 シニアマネジャーの是松辰輔氏は次のように紹介する。

日鉄エンジニアリング
建築営業部 システム建築営業室
シニアマネジャー
是松 辰輔

「当社はゼネコン事業を展開する総合建築部門において、1万坪(約3万3000m2)を超える大型物流施設の建設で豊富な実績があります。そこで、従来の『スタンパッケージ』(3000m2以下)と大型物流施設の中間領域でのニーズ拡大を想定し、同領域をカバーする2階建て物流施設向け商品『NSスタンロジ』を開発しました」

それを可能にしたのが日鉄エンジニアリングの鋼構造技術力だ。同社はゼネコン事業のほか、大空間・特殊鉄骨建築、免制震デバイス商品、橋梁商品など多様な事業を展開している。

「それにより、当社の『グリッド設計(経済的設計手法)』や『アンボンドブレース(座屈しない高強度な筋交い)』といった、大型施設や超高層ビルで採用されている技術をシステム建築に取り入れることができました」と是松氏は話す。

新たな2階建て向けシステム建築商品「NSスタンロジ」
物流施設
アンボンドブレースを設置した1階部分

物流施設のような床荷重の大きな建物に超高層ビルで使われる「アンボンドブレース」を採用し、バランスよく配置することにより、鋼材重量が大幅に削減可能になるという。さらに、一般的なブレースは地震などの発生時に座屈する(曲がる)可能性があり、取り替え工事が必要になるが、「アンボンドブレース」なら座屈しないため、継続して施設利用が期待できる。『NSスタンロジ』は2016年に開発・販売開始されたが、「在来工法と比較し、鋼重量は約15%、コストは約10%低減でき、工期も短縮できます」(是松氏)というメリットが評価され、引き合い・実績が倍増しているという。

「小規模の工場、倉庫(スタンパッケージ)から、中規模物流施設(NSスタンロジ)、さらには大型施設まで、豊富なラインナップでお客様のご要望に最適な形でお応えできます。また最近需要の多い冷凍冷蔵倉庫にも取り組みを強化しています」(是松氏)という建物の大小から用途に至るまで幅広い対応力も同社ならではの特長だ。

NSスタンロジ 実績

建設業界の将来を見据えた取り組みも積極的に

日鉄エンジニアリングでは現状に甘んじず、将来を見据えた取り組みも積極的に進めている。岩田氏は「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入により、『NSビーナス』で作成した図面を基に、実施設計図、施工図、工作図などの建築生産に直結する図面の生成が行えるようにしていく計画です」と力を込める。まさに、営業から、設計、製造、施工までの建築生産プロセスの連動が強化され、さらなる生産性向上が期待できる。

同社の話を聞くと、建設業界のこれまでの商習慣も変化しつつあることがわかる。システム建築の存在感もますます高まりそうだ。設備投資を行う施主企業にとっても、施工店として携わる地域の建設会社にとっても多くのメリットをもたらすに違いない。

「スタンパッケージ」のパートナー企業として、建設業界の変革に貢献していきたい

藤井産業は、北関東・首都圏および東北を地盤とする電設資材・電気機器商社で、メガソーラーや工場・倉庫などの産業建築物の設計、施工も行う。

藤井産業
常務取締役
建設システム部門統括役員
滝田 敦 氏

同社常務取締役の滝田敦氏は「当社は1970年代にはすでに、日鉄エンジニアリングの『スタンパッケージ』を取り扱い、自社での施工を行ってきました。『スタンパッケージ』を選んだ理由は、新日鉄(当時)ならではの高い商品力です。さらに、お客様への知名度も高く、地元の企業はもとより、東京から拠点を進出されるお客様にも安心して提案できます」と話す。

同社は、各地のスタンパッケージの施工店で構成される「SB会」の関東地区幹事会社であり、滝田氏は会長職も務めている。

同社は東京証券取引所JASDAQに上場している栃木県を代表する1社だが、「SB会」には中小企業も少なくないという。

「経営リソースに限りがある企業でも『NSビーナス』のようなツールを利用することで、スムーズに提案できます。また『SB会』での成功事例の共有や勉強会なども行われており、短期間でノウハウを身に付けることができるのも魅力です」

滝田氏は日鉄エンジニアリングとのさらなるパートナーシップに期待をする。「例えば、将来起こりうる災害などのリスクに対応するために、建物はどうあるべきかといったことは、なかなかSB会の会員だけでは検討できません。日本製鉄グループの研究開発力を頼りにしています。逆に私たちは地域のお客様のニーズをくみ取り、一緒になって新しい商品・サービスを生み出していきたいですね」。