感染爆発止めた日本が「安心」と評価されない訳 コロナ検査なお脆弱、再拡大に備えられるのか
沖縄県浦添市にある群星沖縄臨床研修センターの徳田安春センター長は、「確かに発表されている感染者数、死亡者数は少ない。ただそれは、検査が抑制された中での数なので、かなりの漏れがある」と言う。
日本政府が設置した専門家会議の尾身茂副座長も衆議院予算委員会で、「(実際の感染者が)10倍か15倍か、20倍かというのは誰にも分からない」と語った。専門家会議は政府に対し、軽症者も含めた検査体制の拡充を急ぐよう求めてきた。
厚労省によると、保健所の負担を軽減するため民間検査機関の活用を増やしているという。
「PCR検査を必要な時に、必要な人にやるべきだというスタンスは最初から一貫していた。ずっと、検査キャパシティを拡充してきている」と、厚生労働省結核感染症課の加藤拓馬課長補佐は語る。
検査は「十分ではない」
日本における新型コロナ対応の最前線となってきた保健所は、1990年代から数が半減している。一方、韓国は過去の感染症の経験を踏まえて公衆衛生体制を強化してきた。長時間の勤務と殺到する電話に苦しみつつ、日本の保健所は民間によるPCR検査を認めるよう政府に要望してきた。
日本政府は1日最大2万2000件のPCR検査能力があるとしているが、1日に行われている検査はその3分の1にも満たない約6000件だ。厚労省によると、その約75%は保健所や公的機関で実施されている。
全国保健所長会は5月6日付の書簡で加藤勝信厚労相に対し、検査方針を全面的に見直すよう求めた。そこには「現在、新型コロナウイルス感染症におけるPCR検査について、検査数の不足や検査目的の混乱が生じています」と書かれている。
一部の地方自治体は4月、地元の医師会の協力を得て、保健所を介さず検査を受けられるPCR検査センターの運用を開始した。