グローバル経営支援セミナー
トルコ編
欧州とアジアの経済交流起点、トルコ経済の現状と投資対象としての魅力
― 進出事例にみるM&A、JVの活用と留意点 ―
三菱東京UFJ銀行、トルコ共和国首相府投資促進機関、東洋経済新報社
【協賛】
KPMG/あずさ監査法人、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、S&P Capital IQ
【後援】
日本貿易振興機構(ジェトロ)、UNIDO-ITPO Tokyo(国連工業開発機関)、大阪商工会議所(大阪会場)、中部経済連合会、名古屋商工会議所(名古屋会場)、日本商工会議所、東京商工会議所(東京会場)
【基調講演】
「トルコの経済と投資環境について」
昨年11月に設立された現地法人、トルコ三菱東京UFJ銀行頭取の山口透氏は、2013年に安倍首相が異例の年2度のトルコ訪問を行い、「リーダー同士の信頼に基づいて両国関係は大きく進展した」と述べた。昨年は政治的な混乱も報道されたが、今年予定される地方選挙でも「与党支持率は依然として高く、大きな政変は考えにくい」との見方を示した。
欧州とアジアの間に位置するトルコは、欧州ではドイツに次ぐ人口7667万人で、平均年齢30歳という若さと勤勉さが魅力だ。1人当たりGDPは、日本の80年代半ばの水準に当たる1万500ドルで、消費市場としての期待も高い。05年にEU加盟候補となって以後、急増した外資企業数は13年には3万6500社で、ドイツ、イギリスなどからの進出が加速しているが、「投資のタイミングとしてはまだ遅くない」と言う。
01年の経済危機を迎えたトルコ経済のシステムはIMF管理下で改革され、EU基準への対応も進む。7.4%(13年)とやや高めのインフレ率と経常赤字を背景に為替はリラ安トレンドにあり、輸出は順調だ。山口氏は「日本の高付加価値産業進出が期待されています」と話した。
【講演Ⅰ】
「当機関による支援の事例と
トルコの投資奨励策」
トルコ共和国首相府投資促進機関(ISPAT)東京事務所所長の関仁氏は「対内投資支援に限定しているが、トルコのジェトロ」という同機関の無料サービスを紹介した。工場建設などの新規・拡張投資のほか、JV、M&Aも支援対象で、利用企業は、規制やビジネスチャンスなどの情報収集目的から、具体的に検討している進出の相談までさまざまだ。同機関では蓄積した知見を基に、目的に合った投資形態や、外国人社員1人に5人のトルコ人を雇う「1対5ルール」が原則の労働許可証取得のアドバイスも行う。特に、工場用地案内は充実しており、要件に合った土地探し、現地案内にも対応する。
トルコの投資奨励策は、法人税低減、土地の無償・低価格供与、社員の社会保険料補助などがあり、投資額や対象地域によって内容が変わる。ただし、自動車、エンジン、石炭火力発電所等への投資は、地域に関係なく手厚いインセンティブがある。関氏は、主要国であっても、国によっては輸出が年100%以上に伸びることに触れて「親日国のトルコはダイナミックに成長する可能性を持った魅力あふれる投資先です。相談をお待ちしています」と呼びかけた。