過酷な体験が自信に…肉食社員になろう! 無人島サバイバル訓練に、ひな壇トークの実習
「お笑い研修」で肉食社員を育てるのは、積水化学グループのセキスイ保険サービスだ。全社員を対象にしている。
「笑い方ひとつで相手との距離が縮まります。関根勤さんのように口を縦に大きく開けて10秒間笑ってみてください」
講師がこう促すと、参加者は恥ずかしそうに「ハハハ」と笑うだけ。講師が、
「これ、一人でやるから怪しくて怖いんですよ」
と言うと、大きな笑いが起き、部屋の空気は一変した。
ひな壇トークの実習
講師は、放送作家の中山真さん(35)と中原誠さん(32)だ。元は吉本興業所属のお笑い芸人で、吉本お笑い総合研究所とともに芸人のスキルを元にした研修プログラムを開発し、昨年2月、「WM commons(コモンズ)」を設立した。これまでに企業や医療機関で約150件の研修を引き受けた。
「ひな壇トーク番組をやってみよう」の“実習”は、テレビ朝日の「アメトーーク!」を参考にしたもの。4~5人のグループに分かれ、共通点を見つけてテーマにし、「○○あるある」「○○のここが好き」などと発表する。共通点がなかなか見つからないグループも、話し合ううちに「豚肉大好き社員」とテーマを固め、行きつけのとんかつ屋話でボケとツッコミを展開。いつのまにか信頼できるチームワークができていた。中原さんは言う。
「自分をさらけ出すことで草食から肉食に近づく。社内で上司ともコミュニケーションを取れるようになれば、『あんな上司になりたいな』と、上のポジションを目指そうという思いも生まれやすくなります」
セキスイ保険サービスの今井千恵子・総務人事グループ長は、この研修で手応えを感じているという。
「積水化学グループは『際立つ人材』の育成を目指しています。もともと高いコミュニケーション能力を持っていても、忙しさに追われて発揮できないことがある。この研修で、そんな社員の力を引き出してあげたい」