景気回復の形はV字かU字かナイキのロゴか 急収縮した経済活動の先行きをどう見るか

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3.W字

ロックダウン措置が緩和されれば当初は経済活動がいったん活発化するが、失業と企業の経営破綻の影響がその後、浸透し始める。

新型コロナの感染が再燃した場合も、景気はこの形になるかもしれない。

しばらく回復しない「L字型」はありえる?

4.L字

成長率が急激に落ち込んで、しばらくは回復しない場合がL字だ。

世界の新型コロナ感染が増え続け、ロックダウンが長期化を余儀なくされるような場合だ。

新型コロナの世界の感染源とされる中国・武漢でロックダウンがたった約2カ月で解除されたことを踏まえると、L字は考えにくいかもしれない。

だが、大規模な経済対策を発動する余力が小さく、コモディティの輸出に依存することが多い新興国にとっては、L字形が起きるリスクがあるかもしれない。

5.ナイキ社のロゴマーク

ベレンベルグのエコノミスト、フロリアン・ヘンス氏は「当社はL字、U字、V字のいずれでもなく、チェック済みの印のような形の回復を予想する」と話した。

景気が急速に落ち込んだ後、回復は少しずつになる形だ。ロックダウンが導入時に比べてもっとゆるやかに緩和されていくことを想定する。

アクサ・インベストメント・マネジャーズのチーフエコノミスト、ギレス・モエク氏はスポーツ用品メーカー、ナイキのロゴマークに似た形で説明。「貯蓄性向が高まって消費支出が打撃を受け、投資が大きく抑制される可能性があるため、ロックダウン後の世界経済の回復は極めて弱々しいというのが最も可能性の高いシナリオだ」との見方を示した。

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