今、なぜミス日本がSDGsに貢献するのか(前編) グランプリの女子学生、事務局の3人が語る
――毎年2000名以上の応募者があるそうですが、どのような傾向がありますか?
和田(健) ミス日本だから受けている方は多いと思います。主催者としてはうれしいことですよね。2020ミス日本グランプリに選ばれた小田さん、どうですか?
小田 私は以前にほかのミスコンテストに出場したことがあります。出場して思ったのは、そのミスコンは外見に重きを置いている傾向が強いのかしら、ということと、ファイナルステージで順位をつけて終わりになってしまうことが、少し残念だな、という思いでした。そんな時、母に教えてもらったのがミス日本コンテストです。「ミス日本になれば、いろいろなことをお勉強できて、受賞後も1年間社会貢献を中心とした活動が続く」と教えてもらい、私がやりたかったのはこれだと思いました。
――ミス日本コンテストは、2017年にSDGsに貢献することを宣言しています。意外な組み合わせの印象ですが、どうしてでしょう?
和田(あ) 私たちが、初めてSDGsという言葉を知ったのは、2016年の大会の出場者からでした。その出場者は「大学でMDGsとSDGsの違いを勉強している」というアピールポイントがあり、私たちはその時初めて存在を知ったという程度でした。
和田(健) 翌年の夏、ほかの場所でもSDGsについて聞く機会があり、そのときに「ミス日本がやっていることと一致する」と感じたのです。私たちの使命は、日本社会の発展のために、日本らしい美しさを備えた人物を輩出し、社会で活躍する後押しをすることです。ミス日本受賞者のその後について皆さんに尋ねたとしたら、きっと女優やタレントを想像する方も多いと思います。ですが実際には、医者や弁護士、芸術家やスポーツ選手、企業の代表や政治家などなどさまざまな分野で活躍しています。こうした女性活躍(ジェンダー平等)を推し進めてきた行動自体が、2030年を達成年としてサステイナブルな社会をつくるSDGsのミッションと共鳴するのではないかと感じました。それから勉強を始め、12月には外務省に対して公式に貢献を宣言し、公認のマークを頂戴することとなりました。
私たちが貢献を宣言したのは、SDGsの17の目標のうち、教育、ジェンダー、水、海、森です。どれも以前から取り組んできたテーマです。とくに教育とジェンダーの分野には力を入れており、社会に貢献できるのではと考えています。貢献宣言によってSDGsを組織全体で意識したことで思いもよらぬ効果もありました。詳しくは後編でお話しできればと思いますが、個人の能力が向上したり、出演機会が増加することもありました。プラスになることが大変多く、その効果に驚いています。
小田 実は、私はファイナリストになるまでSDGsについて知らなかったのです。ファイナリストになると参加できる勉強会で初めてSDGsのことを学びました。私たちの世代は小さい頃から学校で環境問題について教わってきましたが、正直、どこかひとごとのように感じていました……。その勉強会に参加することで、私たちが当事者として関わるべき課題だと実感できて、自分も貢献できたらいいなと思うようになりました。
和田(あ) ミス日本はグランプリを含めて6〜7名選ばれますが、それぞれ自分のできることから始めています。例えばペットボトルの飲み物を買わないでマイボトルを持って歩いたり、買い物のためにエコバッグを普段からバッグに入れるようになったり。魅力的な彼女たちがSDGsを意識した行動を取ることで、「かっこいい」「かわいい」といってまねをする人たちが増えるはず。ミス日本たちには、ぜひ若い人たちのアイコンになってもらいたいですね。
小田 そうなったらいいなと思います。ただ、ミス日本として広く皆さんにお伝えしていくことも大切ですが、まずは同じ大学生として「私たちの世代でもこういうことができるよね」と伝えていけたらいいなと。まずはそこから頑張ります!