今、なぜミス日本がSDGsに貢献するのか(前編) グランプリの女子学生、事務局の3人が語る

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本企画では、エプソン販売・PaperLabの協力のもと国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、どのようにSDGsを意識して企業活動をするべきか、その実例やレポート、価値ある提言などを紹介する「SDGs Lab」Webマガジンを月2回発刊します。

地球に住む一員として、限りある天然資源を守り、社会課題を解決し、誰一人置き去りにすることなく、持続的に成長していくこと。それは、公的な機関および民間企業、そして一個人に課せられた使命であり、互いの責任ある行動、消費、協調が欠かせません。

「SDGs経営」「自治体SDGs」を推進し、企業と地方公共団体の活動に変革を起こしていくために必要なことは何なのか。有識者からの提言、変革者の「実践知」をお届けし、皆様の企業活動を変革する一助となれば幸いです。第13回の今回は、2017年にSDGsへの貢献を宣言した一般社団法人 ミス日本協会 理事 ミス日本コンテスト事務局長 和田健太郎氏、ミス日本協会 理事 和田あい氏、2020ミス日本グランプリ 小田安珠氏に、今、なぜミス日本がSDGsに貢献するのかについて、お話をお聞きします。

―ミス日本コンテストは今年で52回を迎えました。普通のミスコンとは、どこが違うのでしょうか。

一般社団法人 ミス日本協会 理事
ミス日本コンテスト事務局長
和田健太郎氏

和田(健) ミスコンというとタレントや女優を生み出すオーディションを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ミス日本コンテストは成長の機会を多数提供し、その後の社会での活躍を後押しするという点において独特です。それをご理解いただくには、ミス日本コンテストの歴史からご説明したほうがいいでしょう。

ミス日本が最初に選ばれたのは1950年。終戦後、日本にアメリカの「Licensed Agencies for Relief in Asia:アジア救援公認団体」から救援物資(LARA<ララ>物資)が届いたことに始まります。物資の中心は脱脂粉乳や缶詰などで、これにより日本の子どもたちの栄養状況が大きく改善されました。それにより、1947年に衆議院本会議でアメリカへの感謝の決議が行われて、3年後の1950年に民間の女性親善大使を送ることになったのです。そうして親善大使を選ぶために読売新聞主催で開かれたのが、第1回のミス日本コンテストです。このコンテストは第2回まで開催されて役割を終えました。

ミス日本創設のきっかけになった 復興援助について、 香淳皇后陛下が詠まれた御歌

それから再びミス日本が復活したのは1968年です。2年後に控えた大阪万博にむけて、参加各国に親書を手渡すという外交儀礼のために、ミス日本を選ぼうという話になりました。そのとき主催者として携わったのが、「和田式フィギュアリング」というダイエット法の提唱者で「美人づくりの名士」と評判だった祖父の和田静郎です。祖父は読売テレビで「テレビと共にやせましょう」という番組を持っており、最初の主催者である読売新聞社とも関係があり、ミス日本の復活に寄与しました。

(右) ミス日本・鈴木紀子さんが世界各国の市長に届けた日本万国博の親書
(左) 岸信介 元総理から親書を託されるミス日本

最初のときも復活したときも、目的は日本の気持ちを世界に伝えるためでした。そのような経緯で始まったので、単に「きれいでよかったね」というだけのコンテストではありません。日本らしい美しさを備え、将来に社会で活躍する女性を輩出するという目的のために毎年、ミス日本を選んでいます。

一般社団法人 ミス日本協会
理事
和田あい氏

和田(あ) ほかのコンテストとは、求められるものが違うかもしれません。私たちの理念は、日本らしい美しさで社会をよりよくすること。そして日本らしい美しさとは、「内面の美」「外見の美」、そして「行動の美」という3つから成り立っていると考えています。「内面の美」とは、その人のルーツを見つめることで生まれる美。例えば「私はどんな環境で育ったのか?」「日本の歴史や文化は私とどのようにつながっているのか」など、自分をつくってきたものを学びほぐし、考察することで磨かれるものです。

「外見の美」は単なる見た目の美しさと誤解されがちですが、私たちの考えでは日々の鍛錬を指します。外見からにじみ出る美しさやセンスは、食事や運動、勉強など、日常の行動の積み重ねの結果だからです。

そして「行動の美」は、意志力のこと。将来の夢や目標に向かって頑張る姿は、どのような形であっても美しいものです。これらの3つの美に限界はありません。一生をかけて磨き続けることが大事であり、それはミス日本も同じです。

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