企業が「自然エネルギー」を無視すべきでないワケ(前編) 気候変動リスク回避、将来の先行投資として

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本企画では、エプソン販売・PaperLabの協力のもと国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、どのようにSDGsを意識して企業活動をするべきか、その実例やレポート、価値ある提言などを紹介する「SDGs Lab」Webマガジンを月2回発刊します。

地球に住む一員として、限りある天然資源を守り、社会課題を解決し、誰一人置き去りにすることなく、持続的に成長していくこと。それは、公的な機関および民間企業、そして一個人に課せられた使命であり、互いの責任ある行動、消費、協調が欠かせません。

「SDGs経営」「自治体SDGs」を推進し、企業と地方公共団体の活動に変革を起こしていくために必要なことは何なのか。有識者からの提言、変革者の「実践知」をお届けし、皆様の企業活動を変革する一助となれば幸いです。第11回の今回は、自然エネルギー財団 シニアマネージャーの石田雅也氏に企業が知っておくべき自然エネルギーについてのお話をお聞きします。
自然エネルギー財団
シニアマネージャー
石田雅也氏

―自然エネルギー財団で石田さんはどのような活動をされているのでしょうか。

石田 自然エネルギー財団は、その名のとおり日本に自然エネルギーを広めることをミッションとして活動しているシンクタンクです。理事長がスウェーデン人で、彼の人脈も含めて海外の専門家とのネットワークが豊富で、私たちの提供する情報もグローバルなデータや知見に基づいていることが強みです。

財団の中で、私はビジネス連携を担当しています。平たく言えば、企業による自然エネルギーの利用を増やすこと。今「RE100」(企業の再生可能エネルギー利用を100%にするイニシアチブ)が世界中で広がっていますが、この流れに乗って、日本企業にもオフィスや工場、店舗で使う自然エネルギーを増やしていただきたく活動を行っています。

―自然エネルギーは、再生可能エネルギーと別のものでしょうか。

石田 同じです。私たちの財団も英語名は「Renewable Energy Institute」ですが、日本語名では「自然エネルギー財団」になります。「Renewable Energy」を日本語に訳す場合に、「再生」という言葉には一度なくなったものが復活するイメージが強いこともあり、自然環境の中で持続的に繰り返し生み出されるエネルギーという意味で、「自然」と訳したほうが日本人の耳になじむ気がします。

今、世界で主に利用されている自然エネルギーは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオの5つです。さらに、まだ規模やコストの面で実用レベルに達していませんが、将来は海洋エネルギー、つまり波力、潮力の利用も期待されています。

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