DXによってもたらされる大学教育現場の可能性 クラウドやAIの利活用が成功のカギ

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クラウドやAIを活用した最新の成功事例も次々と誕生

パブリックセクター事業本部クラウドアーキテクトの中田寿穂氏は、大学教員、IT企業を経てマイクロソフトに入社したという経歴を持つ、クラウドのスペシャリスト・アーキテクトでAIにも精通する。中井氏によれば、「クラウドやAIのテクノロジーを利用した新しい教育や研究の事例も生まれている」という。

その1つは、北海道大学大学院工学研究院工学系教育センターだ。同センターでは留学中でも遠隔教育を受け、単位が得られる環境を整備している。講義の動画コンテンツは「Microsoft Azure」によるクラウドで提供されているが、撮影した講義映像を教材化するために全音声をテキスト化し、日本語での講義は英訳を、英語での講義は和訳を行っていた。

パブリックセクター事業本部
クラウドアーキテクト
中田 寿穂

「今までは外部の業者の方に手作業で翻訳や字幕作成を依頼していましたが、1つの教材を作成するのに約1カ月もかかっていました。そこで、『Microsoft Cognitive Services』で動画音声のテキスト化と翻訳を自動化したところ、工程を大幅に削減できました。こうした事例は、リモートやインタラクティブなど大学の講義形態の可能性を広げていくでしょう」(中田氏)

このほか、近畿大学水産研究所では、養殖稚魚の選別作業工程にAIやIoTを導入し、作業の効率化を図っている。まずは選別作業の要となるポンプ調節を自動化。将来的には現在目視で行っている生育不良の個体を取り除く作業においても、画像解析と機械学習を組み合わせて自動化することを計画している。

「このような先進的な取り組みに対応するだけでなく、『Microsoft Learn』『AI School』といった、実際のビジネスパーソンが学んでいるプログラムを無償で提供しており、大学の講義で利用されるところも増えています」(中田氏)

日本だけでなく、世界の先を行く教育機関の事例がそろい、先進のテクノロジーがそろっているのもマイクロソフトならではの強みだ。それでありながら、「Microsoft Azure」「Microsoft 365」のクラウドのデータセンターは日本国内に置き、国内の法律に準拠したセキュリティー環境を整備している。

DXは今や、単なる小手先の手段ではなく、学生との関係構築や教育・研究の質の向上、効率化、情報管理など大学経営のすべてにかかわる「インフラ強化」とも言い換えることができる。より長期的な経営戦略を組み立てるうえでの見逃せない視点になるだろう。

マイクロソフトでは日本のAI人材育成についての大学の使命と役割について
産官学でディスカッションするイベントを来年1月に開催いたします。

2020年1月28日(火)
六本木アカデミーヒルズにて
「AI アカデミックフォーラム2020」開催
お申し込みはこちら
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