グローバル経営支援セミナー ラオス編 新興メコンの成長エンジン ラオス経済の現状と最新動向
東京会場であいさつした、三菱東京UFJ銀行の秋田孝之・国際業務部長は国際協力銀行が調査した中期的有望事業展開先で、ラオスが20位入りしたことに触れて「ASEAN連結性マスタープランが着実に進み、ラオスを起点としたメコン戦略を検討する日系企業も多くなっています」と語り、三菱東京UFJ銀行国際業務部の活用を呼びかけた。
三菱東京UFJ銀行
駐日ラオス人民民主共和国大使館
国際協力機構
東洋経済新報社
開会挨拶
「ラオスが2015年に
ASEAN経済共同体のメンバーになる事について」
駐日特命全権大使のケントン・ヌアンタシン閣下は、昨年来の首相同士の訪問、今年のジェトロ・ビエンチャン事務所開設予定に言及して「2015年に外交関係樹立60周年を迎える日本・ラオス両国は良好な関係を築いている」と強調した。
ラオスは豊富な水力発電エネルギーを抱え、10年以降は年率約8%の高い経済成長を続けている。内陸国ラオスは、中国、ベトナム、タイ、ミャンマー、カンボジアの5カ国に囲まれたランド・ロックを「ランド・リンク」のメリットとして生かすため、隣国、域内、世界との経済統合を推進。13年にはWTO加盟を果たし、15年に発足予定のASEAN経済共同体(AEC)の一員となる。「ラオスの平和と安定の維持が大メコン圏の貢献につながる。ASEAN共通単一市場の実現にも積極的な役割を果たしたい」と訴えたヌアンタシン閣下は「ラオスでのビジネスに理解を深めていただきたい」と日本企業の進出を期待していた。
講演Ⅰ
「ラオスの投資機会」
ラオス大使館投資官のタンマウォン・プヴォン氏は「ラオス政府は、経済成長に向けて民間投資の重要性を認識しています」と、外国からの投資促進に向けた政策を説明した。
ラオスは、国家社会経済開発計画(2011~15年)で成長率8%を目標に直接投資を積極的に受け入れ、日本からの投資累計額も国別7位の4.3億ドルに上る。09年改正の投資奨励法では、利潤税を最長10年(教育・医療分野は5年追加)免除などの優遇措置を定め、外国人の不動産投資を可能にした。また迅速な投資許可のために手続きのワンストップサービス提供、よりインセンティブの手厚い経済特別区設置、交通インフラ整備も進める。
ラオスは安い労働力、治安の良さに加え、豊富な鉱物・水力資源、肥沃な農地、観光分野の資源にも恵まれている。プヴォン氏は「製造業は農産物・木材加工、繊維・縫製、建設資材の振興が計画に示され、工場の集積も進んでいる」と述べた。