企業のDXを推進する「Origami Network」 スマホ決済機能をオープン化して無償提供

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新しい金融サービスやコンサルティングにも取り組む

スマホ決済サービスは新規参入も増え、競争も激しくなっている。顧客の囲い込みのための大規模な還元キャンペーンも行われている。「オープン化」「無償化」を打ち出す「Origami Network」はこれらの動きとは一線を画する。康井氏はその狙いについて「前述したように、システム構築などのハードルを下げることで、企業の効果的なデータ活用とDXの推進に貢献したいと考えているためです」と力を込める。

康井氏が描く将来像は、文字どおり金融プラットフォームとしての「Origami Network」の広がりだ。「日本にはクレジットカードが1000種類以上あるといわれています。ところがその決済機能を担っているのは限られた数社の国際ブランドの決済システム企業です。これらのブランドは自社では1枚もクレジットカードを発行していません。しかし、世界中でこれらのブランドのカードを使うことができます。私は『Origami』を、こうした国際ブランドのように成長させたいと考えています」。

各企業が自社のスマホ決済サービスを展開しながら、ユーザーはその違いを意識しなくても「いつでも、どこでも」決済ができるようになるわけだ。

さらにオリガミはテクノロジーを活用したさまざまな金融サービスの提供を目指している。

「日本は、世界の先進国の中でもいち早く人口減少・少子高齢化などの課題に直面しています。そのような時代に適応した多様性の高い金融サービスを提供していきたい」と康井氏は答える。

これらの取り組みを実現するために、19年9月には融資、投資、保険などの新たな金融サービスをパートナー企業と共に提供する「Origami Financial Services(オリガミ ファイナンシャル サービス)」を設立した。また、同月には新規事業「Origami Technologies(オリガミ テクノロジーズ)」の開始も発表した。同事業ではオリガミが保有する決済データに加え、パートナー企業内のデータ、実社会のデータの取得・分析などにより、パートナー企業の効果的なデータ活用とDXの推進を支援するという。

「日本市場は成熟しているといわれますが、自社のお客様との接点を強化することによりまだまだチャンスがあります。『Origami Network』にご参加いただく企業の皆様と連携し、経済成長やビジネス活性化に加え、社会課題の解決に貢献していきたい」と康井氏は結んだ。

その言葉どおり、「Origami Network」という日本発の金融プラットフォームの普及に期待が高まる。

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