実は周囲から見られている「男性の白髪」事情 専門家が語る「白髪」が生える原因と対応策
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髪の色はメラニン色素の量で決まり、メラニン色素をほとんど含まなくなってしまった髪が白髪である。白髪が生え始めるのは一般的に30代半ばとされているが、個人差が大きく20代から生え始める人もいれば、40代になっても白髪が生えてこない人もいるという。
ヘアカラー大手ホーユーの総合研究所で、白髪の研究をしている小林愛氏は次のように説明する。
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総合研究所 先端技術研究室
新領域研究課
小林愛氏
「白髪が生える要因はたくさんあります。遺伝的なバックグラウンドや加齢のほか、紫外線による刺激などの外的な要因や食生活も関係しているといわれています。精神的なストレスを気にする方が多いですが、ある程度は関係しているものの、主要因ではないというのがわれわれの見解です。また、家族に白髪の方が多いからといって、ご自身も同じように白髪になるとは限りません。また、紫外線や食生活の影響も同様で、さまざまな要因が複雑に絡み合って、ある程度の年齢になると白髪が生え始めます」
「これさえすれば大丈夫」という単独の予防策はなく、紫外線や食生活など、それぞれの要因への対策が重要になる。現在、白髪の発生についての研究が盛んに行われており、少しずつ解明されつつあるが、まだまだ研究の余地を残している。
「不自然な黒に染まってしまう」は誤ったイメージ
すでに白髪が生えてしまっている場合、見つけたら抜くという人は注意が必要だ。その場しのぎの対策であるうえ、毛根へのダメージが大きく、繰り返すことによる髪への影響が考えられる。現実的な対策としては、白髪染めの使用が考えられるが、染毛者の割合は、女性が70%超なのに対して男性は約20%と、男女差が大きい(ホーユー調べ)。
同社コンシューマー事業本部で白髪染めの開発に携わっている、伊藤聡氏は次のように分析する。
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コンシューマー事業本部
商品企画室 商品企画2課
伊藤聡氏
「女性は、もともとヘアカラーを楽しんでいる方が多いのに対し、男性は、『面倒くさい』『使うと自分の老化を認めてしまうことになる』と思っていたり、白髪染めの色調にはバリエーションがあるにもかかわらず、『真っ黒に染まって不自然になりそう』という白髪染めに対する誤ったイメージを持っていたりするために、躊躇する方が多いようです。若い頃にヘアカラーの経験がある方も、就職のタイミングでカラーリングから離れてしまい、イメージがリセットされるということも要因かもしれません」
白髪染めの経験がない、あるいは白髪染めに抵抗のある男性でも気軽に使えて、真っ黒になりすぎず自然な印象に仕上げることができるとしたらどうだろう。