創立380年の龍谷大学に「先端理工学部」誕生 社会が求める「先端」人材を新学部で育成

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2020年4月、龍谷大学の理工学部は、先端理工学部として新たなスタートを切る。仏教系大学として380年もの歴史と実績を持つ同大学で生まれる新学部が目指す「先端」教育とは?先端理工学部長(就任予定)の松木平淳太教授に、大学通信の安田賢治常務取締役が話を聞いた。

複数の専門領域を横断する日本初のカリキュラム

安田 龍谷大学は創立から380年もの歴史を持つ総合大学であり、理工学部も仏教系大学で日本屈指の実績があります。なぜ先端理工学部という新たな学部への改組を決められたのですか。

龍谷大学
理工学部長
(先端理工学部長(就任予定))
松木平 淳太

松木平 人工知能(AI)やデータサイエンス、航空宇宙など新しい分野が登場し、技術革新が進む現代、日本政府が提唱する「Society 5.0」に示されているように、今後も社会を持続的に発展させていくためには、幅広い分野の技術を結集し、最適化を図ることが重要になっています。これまで理工学部は専門性を高度に追求することで先進技術を生み出してきましたが、新たな時代のニーズに応えるためには、そうした従来の縦割り構造を抜本的に変える必要があると考えました。

安田 企業でも広い視野で多様な技術を組み合わせ、複雑な課題を解決できる理系人材が必要とされています。それを反映してか、高校生や学生にも「多様な分野を学びたい」という要望が高まっています。しかし確立された理工系学部の教育システムを変えるのは簡単ではありません。どのように変えるのですか。

松木平 最も大きな変革は、新たに「課程制」を設けることです。これは日本の理工系学部では初(※)の試みです。6つの課程では、専門分野を主軸に複数の分野を横断して学べるようにします。それに合わせ、どの課程からも自由に履修できる25のプログラムを設置しました。プログラムのテーマは現代の社会的ニーズに即し、人工知能やIoT、データサイエンスなどの情報技術分野やロボティクス、航空宇宙、さらに環境DNAやバイオテクノロジーなどバラエティーに富んでいます。

安田 多様な分野に横串を通して横断的に学べる仕組みを理工系学部で実現したというのが非常に画期的です。大学で学ぶ中で、もしほかの分野に関心が芽生えても、従来の学科制では専門を変えるのは難しい。「課程制」なら学生の多様なニーズに応えながら、幅広い分野をしっかり学べそうですね。

松木平 そのとおりです。先端理工学部では「将来社会課題を解決できる人材になる」ことを目標に据え、それに向かって学びを積み上げていくようカリキュラムを編成しています。1年次にまず「理工学のすすめ」という科目で各課程での学びを紹介するほか、企業を招いて、抱える課題や必要とする技術についてレクチャーしていただくなど、学びと社会の結び付きを意識づけしてから高年次のプログラム履修につなげるよう設計しています。

学びと社会のつながりを実感するギャップターム

安田 新学部ではクォーター制を導入するそうですが、その中で画期的なタームを設けると伺いました。

松木平 3年次の第2クォーターに「R–Gap(Ryukoku Gap quarter)」と称し、必修科目を置かず、学生が自由に活動できるギャップタームを設けます。第2クォーターと夏休みを合わせた6月から9月半ばごろまでの期間、長期インターンシップや海外留学、ボランティアなどさまざまな活動に取り組むことができます。学内外でのアクティブな学びを通して、自分が学んでいることが世の中でどう役立つのかを実感してもらうのが狙いです。

大学通信
常務取締役
安田 賢治

安田 ある程度専門性を磨き、関心が定まりつつある3年次に自らの学びと社会とのつながりを体験することは、将来を考えるうえでも意義深いことです。社会課題もグローバル化している今日、世界で活躍する理工系人材も増えています。この機にぜひ留学や海外インターンシップで海外を経験してほしいですね。

松木平 理工学部ではすでにベトナムとシンガポールで現地の学生とPBL(問題解決型学習)を行うプログラムや、アメリカ・シリコンバレーでのインターンシップなどを実施しています。こうした取り組みを生かしながら「R–Gap」に適したプログラムを提供したいと考えています。

※文部科学省HP/大学の学部等の設置届出状況(月別)による

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