生産性を高める情報共有革命 シリーズ働き方改革セミナーレポート

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課題解決講演
生産性を高める“情報共有革命”の実践事例
組織として取り組まれた“生産性向上”のための働き方改革

Dropbox Japan
インダストリー リーダー
戸田 麻弥氏
Dropbox Japan
インダストリー エバンジェリスト
李 苑氏
SCSK ITマネジメント事業部門
西日本ITマネジメント事業本部
基盤サービス部 部長
濱田 康秀氏

Dropbox Japanの戸田麻弥氏は、情報共有をさらに円滑化する同社のオンライン共同編集サービス「Dropbox Paper」を紹介。メール、チャット、会議議事録に分散する多くの情報の中から、必要なものを探すには時間がかかり、生産性向上を妨げていると指摘。「共有したい情報を1カ所に統合して仕事の密度を高める」ツールとしてPaperの利用を提案した。同社の李苑氏は、パンフレット発注を想定したPaper利用シーンをデモ。発注先をPaperに招待し、基になる資料の提供から、ドラフトの共有・確認、修正点のコメント、ドラフト更新までの一連の作業を、Paper上で完結できることを示した。Dropboxを使って業務改善を図る大手SIベンダー、SCSKの濱田康秀氏は、Dropboxに保存されたファイルは、バックアップとバージョン管理がされるため、1つのファイルで共同作業をしても必要に応じて元に戻せるので「ファイル共有のストレスがなくなった」と述べた。顧客への提案書作成に「Dropbox Paper」を活用。引き合いを受けて作成したPaper上で、提案書のドラフトをレビューにかけ、関係者から寄せられるコメントを基に修正、完成させる。また、会議時間を短縮するために、Paper上で資料を事前に共有し、議事録も同時に作成。「情報共有だけを目的とする会議をなくせた」と語った。

事例講演
Dropbox Businessの活用による無駄時間の削減取り組み

ケイコン
情報システム部 課長
金川 幸二氏

建設土木向けコンクリート製品を設計製造するケイコンの金川幸二氏は、業務効率化につながるDropboxの利便性について語った。ファイルサーバーによる情報共有をしていたときは、データを誤って上書き保存するなど、ミスのたびに情報システム部がバックアップから復元していた。が、Dropboxに保存したファイルは、右クリックメニューのバージョン履歴に上書き前のデータが保存されている。削除ファイルも管理画面から、ユーザー自身で簡単に復元でき、現場の復元待ち時間がなくなった。図面データもDropboxに保存すれば携帯端末から閲覧できるので、事務所で印刷した紙データを現場に持っていく必要がなくなり、図面を取り違えて事務所に戻る時間の無駄や、紙の紛失による情報漏洩リスクも解消された。大容量ファイルを添付したメールが受信拒否される問題も、Dropboxの共有リンクをメールに貼ることで解決。ほかにも、メモを撮影すると、写真をPDFに変換してDropboxに保存、全文検索で探せるようになるドキュメントスキャナー機能などを紹介。「さまざまな便利機能を活用し、無駄な時間の削減を進めていきたい」と語った。

クロージング講演
どうすれば働き方改革でデジタル化時代の未来の働き方を実現できるか?

東洋大学 経済学部
総合政策学科 准教授
久米 功一氏

東洋大学の久米功一氏は、生産性を高めるため、働き方の何を変えるべきか、について知見を紹介した。労働生産性(=付加価値/労働投入量)は、分子の付加価値を生み出すプロフェッショナル人材育成やダイバーシティーと、分母を圧縮する労働時間短縮施策やジョブアサインメント(部下への仕事の割り振り)の4要素に影響されており「どの要素に注力するか、自社の強みを踏まえた戦略が必要」と述べた。また、管理職は周辺雑務に多くの時間を費やすなど、職種別の労働時間の中身の違いに触れて「一人ひとりの労働時間は質的に異なる。生産性向上には、労働の量だけでなく質にも注目すべき」と強調。ただし「ゆとりは生産性にプラス効果もある」として、労働の密度を上げるだけでなく生活面も含めた多様な視点で時間の質を上げることを求めた。最後に、3つの職種を取り上げて、データベース化による情報共有が進んだ職場ほど、時間当たり賃金で見た生産性が高いというデータを提示。社内メンバーが、互いの目標・成果への関心を共有する職場環境が「時代の激しい変化への対応に向けた、個人の自主的な学びを促す」と語った。