社員の知的欲求の見える化で最適な人材戦略を キャリア開発に生かす新たな教育システム

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MBA教育やリーダー育成研修で知られるグロービスが新たなビジネスパーソンの「学び」とキャリア開発の形を提案している。定額制動画学習サービス「グロービス学び放題」だ。導入企業はこれを社員の学習インフラとして活用するのみならず、学習データを人材戦略に活用しているという。その実態はいかなるものか。

ビジネスを学ぶことで自分の仕事を俯瞰できる

人事部門にとって、社員のキャリア開発と適切な人材配置は大きなミッションである。しかし、そこで壁となりうるのは、社員一人ひとりがどのようなスキルを持ち、興味関心を抱いているのかがわからない、そして、教育に当たってどのような内容を提供すればよいかわからない、ということだ。このような課題に応えるのが、「グロービス学び放題」だ。

「グロービス学び放題」とは、ビジネスに関する体系的な知識を動画で好きなときに好きなだけ学習できるサービス。用意されている動画の数はおよそ2500本にも上り、2016年夏のリリース開始以来、約1000社が導入している。動画は思考、戦略・マーケティング、組織・リーダーシップなど9つのカテゴリーに分けられ、ビジネスのナレッジを幅広く学べる。講師には、これまでグロービスで教えてきた講師陣のみならず、第一線で活躍している起業家なども起用。確実に実践につながる学びを提供している。

動画は隙間時間でも活用できるよう、1本当たり3分程度の長さで構成。内容はこれまでのグロービスのティーチングメソッドやナレッジ蓄積が生かされているのはもちろん、視聴者を飽きさせないようさまざまな画面の作り込みがなされている。

なぜグロービスはオンライン上のサービスを開発したのだろうか。

グロービス
グロービス・デジタル・プラットフォーム
マネジング・ディレクター
井上 陽介

「学んだ知識を仕事で生かすことで仕事の成果が上がるだけでなく、視野がぐっと広くなります。しかし、忙しくて学ぶ時間がとれない、あるいは近くに学ぶための場所がない、などの理由から日常的に学んでいるビジネスパーソンは決して多くありません。それを克服するサービスをつくりたいと考えました」

「グロービス学び放題」を開発した井上陽介氏はそう語る。井上氏は以前、広島県で期間限定のビジネススクールを開催した際、農家の受講生から「普段は仕事が忙しく、目の前のことしか見る余裕がなかったが、ビジネス視点で捉え直すと販路を大都市に広げたりブランド化したり、いろいろな可能性があることがわかった。目からウロコだった」と感想を伝えられた。これが原体験となり、「拠点がある都市圏だけではなく、場所を問わず良質なビジネスナレッジを提供できるようにしたい」との思いにつながったという。

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