オムロン エネルギー・システムの未来を支えるセンシング&コントロール

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変換・連系・制御技術で
パートナーとの連携へ

こうしたボトム・アップ型のスマート化の技術は、同社のコア・コンピタンス「センシング&コントロール」を生かした遠隔・自動制御が本命だ。エネルギー・ミックスの進展に伴って、太陽光や小風力発電、蓄電池など多彩な電源を最適に利用するためには、状況に応じた電源の切り替えを行う制御技術が欠かせない。この技術は、オムロンが部品提供する電気自動車などですでに実現している。行本本部長は「分散電源の拡大に伴うエネルギーの地産地消の局面では、制御が重要なポイントです」と強調する。

消費サイドでは、空調機器等を制御することで、電力ピークの時間帯をシフトさせてネガワットを生み出したり、最適運転で不便さを感じずに省エネの実行を自動で行うことができる。創る(発電)、貯める(蓄電)、使う(省エネ)の3つのエネルギー領域すべてを高いレベルでカバーしているのだ。

こうした技術のコンビネーションを生かすため、オムロンでは、発電設備や空調機器を製造する他メーカー、エネルギーのスマート化サービスを提供する事業者などとの連携の道を探っている。

テクノロジーだけではなく、サービス面でも、オムロンは魅力アップに取り組んでいる。省エネコンサルテーションを手掛けた経験から、どこをどうすれば省エネできるか、についてのノウハウを蓄積してきた。また、ATMや自動改札機などの社会システムの保守を担ってきたサービス網を使った、太陽光発電設備のO&M(運用保守)など、ユニークな価値を提供できる懐の深さもある。

行本本部長は「制御技術と、AICOTをはじめとする電力の変換・系統連系技術、そしてO&Mなどのサービスを合わせて、お客様に最初に選ばれるファースト・チョイスとなることを目指していきます」と語り、エネルギー・オートメーション領域で先行する総合力への自負を深めている。

11年度よりスタートしたオムロンの新長期ビジョン「VG2020」は14年度から「新たな価値創出」へつながる新規事業づくりに取り組む「アース・ステージ」を迎える。「現状に挑戦し、お客様に感動を与えるWAO(期待を超える驚き)と、それが実現できる喜びのFUNを追求します」と、行本本部長は未来を見据える。オムロングループは今、環境事業で一段の飛躍を期している。