
共催:日本オラクル、東洋経済新報社
納期の短縮に向けて各部門が情報を共有
製造BPR営業部
生産管理コンサルタント
野本 真輔氏
納期をめぐる部門間の対立を引き起こし、顧客の離反につながりかねない状況を招く原因は、生産管理手法と市場ニーズとのズレにあると、エンジニアリングコンサルティング組織、構造計画研究所の野本真輔氏は指摘する。その解決策として、コスト・効率重視の「計画生産」に替わり、当初の計画に固執せず、状況変化に柔軟に対応する「機動生産」という考え方を提示した。
柔軟な生産体制の構築には、サプライチェーンの中で中間品や完成品など、工程間で相互に及ぼし合う影響やつながりを解析して、各製造現場が前後の工程の計画・進捗に合わせて、自工程が何をすべきかを判断することが必要になる。状況変化への即応には、PDCAサイクルよりも高速な管理手法として注目されている「OODA(ウーダ)ループ」(観測・方針・決定・実施)導入も有効だろう。計画段階で調整に時間をかけるのではなく、現行計画を始動して、各工程の欠品や余剰などの状況を観測、その状況に応じて各現場が主体的に対処方針を検討。その方針が前後の工程や全体に及ぼす影響を確認して計画の変更を決定、実施する──という流れで、生産管理のスピードアップを図る。
ロジスティクス部
部長
松崎 栄治氏
労働力減少に伴う将来の物流リスクに危機感を抱くサッポロホールディングスの松崎栄治氏も「物流の課題は、物流部門単独では解決できない。事業全体で取り組むことが必要」と述べ、生産管理も含めたバリューチェーン全体の標準化、可視化を推進する。ビール業界は、専用貨物列車の共同運行など共同配送に取り組んでいるが、シェアリングの効果を上げるには業務の標準化が欠かせない。また、当初の生産計画にこだわらず、適正な在庫維持に着目して、需要予測に合わせた生産計画、物流の補充計画を機動的に策定。日々の輸送量の平準化など、物流インフラへの負荷を抑制して、持続的な安定供給を目指している。
データの一元管理でサプライチェーン全体を見える化
クラウド・アプリケーション事業統括
ビジネス開発本部
ERP/SCM 戦略・企画 担当ディレクター
中島 透氏
野本氏が提案する機動生産、松崎氏が進めるバリューチェーン全体の標準化・可視化に通じる企業変革の方向として、日本オラクルの中島透氏は、刻々と変化する状況を反映したデータを基に事業を行う「データドリブン」に向けた、デジタル変革を訴える。
機動的な生産管理の要となるのは、他部門・他工程との情報の共有、サプライチェーン全体の見える化だ。それができれば、全体最適化のために何をすべきかを各現場が主体的に判断できるようになる。
まず、事業管理部門が、社内でバラバラになっているマスターデータのコードを統一。標準化したデータをSCM(サプライチェーン・マネジメント)/ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)システムで一元管理する。さらに事業管理部門が集約したデータを、製造スケジューラーなど生産現場のシステムと連携する。すべてを基幹システムで管理しようとするとアドオン、カスタマイズが膨らんでしまう。中島氏は「システムは、全社共通で標準化する部分と、各現場で運用するローカルな部分を切り分けることが重要」と強調した。
日本オラクルでは、インダストリーソリューションとして、サプライチェーンをはじめ、財務会計、セールス・マーケティングなど社内の多様な情報を集約。統合ビジネスプランニングを運用するためのクラウドパッケージを提供している。
コンサルティングサービス事業統括
クラウド・アプリケーション・デリバリー事業本部
SCMクラウドコンサルティング第二部
プラクティスマネージャー
鈴木 悟氏
既存の業務に合わせるオンプレミス型に対して、クラウドパッケージは、業務設計のほうをシステムに合わせるので、導入プロジェクトが短期化され、人員が少なくて済む。また、導入後の保守管理コストも抑えられるなど「全体を通してコスト削減につながる」と日本オラクルの鈴木悟氏は、パッケージのメリットを強調。同社の方法論「TCM(True Cloud Method)」に沿って導入を進めることで「ベストプラクティスに基づいて設計された業務に変革できる」と語った。