社会課題解決と企業価値向上の両立を SDGsカンファレンス2019
基調講演I
2025年日本国際博覧会協会について
ーいのち輝く未来社会のデザインー
「大阪・関西万博」の準備・運営を担う2025年日本国際博覧会協会の堤成光氏は、登録博と認定博という2種類の万博のうち、5年に一度の大規模な登録博としては1970年大阪万博以来となる大阪・関西万博の意義を語った。70年大阪万博で初登場したファストフードや携帯電話の開発につながるワイヤレスホンなどを例に「大阪万博で紹介された最新の製品・技術は、文化やまちづくりに影響を与えてきた」と指摘。高度成長期だった70年に対し、成熟時代の25年大阪・関西万博は、さまざまな社会課題を解決に導く、大阪・関西・日本の技術や取り組みを発信し、SDGs達成に寄与する考えを示した。また、若手クリエーターの成長、ライフサイエンス産業の振興につながる機会にもなるとして「大阪・関西万博をぜひ成功させたい」と語った。
講演
大阪のSDGsビジネス創出に向けた取り組み
大阪・関西万博会場予定地の隣島にある環境ビジネスの常設展示場「おおさかATCグリーンエコプラザ」を運営する大阪環境産業振興センターの前場大輔氏は、SDGsをテーマとするセミナーやビジネス研究会の開催、オープンイノベーションでSDGsビジネスに取り組みたい企業同士のマッチングのほか、一般・子ども向け啓発活動などの取り組みを紹介した。
基調講演II
2020年、そして2025年 SDGs大阪・関西万博、
2030年 SDGsゴール年へ
「SDGs経営」による日本企業の持続的成長戦略
SDGsコンサルタントの笹谷秀光氏は、06年に国連が提唱した責任投資原則以降、投資家が、企業経営にESG(環境・社会・ガバナンス)の要素を求めるようになり、経済価値と社会課題解決を同時に実現するCSV(共有価値の創造)経営が注目された流れを説明。「解決すべき社会課題はSDGsに明示されている」と述べた。具体的な取り組みとして、SDGsの17ゴールをESGの3つの分野に大別。自社の取り組みが、それぞれのゴールを細分化した計169のターゲットの何に貢献するのかを示すマトリックスで整理することを提案。また、大阪・関西万博を、SDGs目標年の30年の途中にある重要イベントと位置づけ、加速するSDGs重視の流れに「遅れないよう、直ちに取り組むべき」と促した。