Facebookが「東北の中小企業」に効く理由

巨大SNSは、地方活性に何をできるか?

FacebookとInstagramといえば、世界中で利用されている巨大SNS。日本国内における月間アクティブユーザーは、それぞれ約2600万人、3300万アカウントを数える(※)。その運営元のフェイスブック ジャパンが、同社の強みであるコミュニティーやテクノロジーの力を活用して、地方創生の取り組みに注力している。今年9月には、岩手県盛岡市で「その先へ with Facebook 盛岡」と題したマーケティングセミナーが開かれた。
※同社調べ、2019年8月現在

「現在いる生徒のうち、約60%がFacebook経由の入塾です。FacebookとInstagram経由の問い合わせから入塾申し込みに至る率は、これまでなんと100%です」。大勢の聴衆を前に、胸を張ってこう話すのはEduce Japan代表取締役の須合啓氏だ。秋田市で、学習塾「STUDY HOUSE」を経営している実業家である。

Educe Japan代表取締役
須合 啓

Facebookといえば、人々が友人や家族とつながったり、趣味などを通じたコミュニティーを形成するプラットフォームとして広く知られている。しかし、実はSNSの力をフル活用して、日本国内の地方創生にも力を入れていることをご存じだろうか。これまでにも兵庫県神戸市、山口県下関市と連携した施策で実績を積んできた。

今年7月には岩手県盛岡市、秋田県横手市、湯沢市、大仙市、仙北市の東北5自治体と事業連携協定を締結。これに基づいてFacebookとInstagramを活用した地域経済とコミュニティーの活性化を図る「その先へ with Facebook」プロジェクトを盛岡市からスタートした。

東北5都市と同社の事業提携協定締結後、初のイベント開催となった

その第1弾として開かれたのが、無料のFacebook/Instagram活用セミナー「マーケティングブートキャンプ」だ。これは、地方の中小企業や個人事業主を対象に、FacebookとInstagramをビジネスに生かすために役立つ基本情報やノウハウを提供するもの。会場となった盛岡市内のホールには、平日にもかかわらず400人近くの人が、セミナーに参加しようと詰めかけた。

開会のあいさつには盛岡市長の谷藤裕明氏が立った。続いてFacebook、Instagramマーケティングの概要と実践方法や、実際に効果を上げている中小企業の経営者3人によるパネルディスカッション、効果的な広告素材の作り方についてデモンストレーションが行われたほか、希望者への個別相談会が実施された。

「人のつながりを大事にする」理念に共感し出稿を決めた

パネルディスカッションに登壇した須合氏。学習塾「STUDY HOUSE」の経営に当たり、Facebookを活用して大きな成果を上げている。「2016年の開業当初、生徒数はたったの7人でした。Facebookをマーケティングの柱に据え、現在は138名にまで増加させることができました。極めて順調です」と顔をほころばせる。

パネルディスカッションに登壇した、東北で事業を展開する3人の経営者。FacebookとInstagramを使ったマーケティングに関する、リアルなトークを繰り広げた

数あるマーケティングツールの中から、Facebookを選んだ決定的な理由は何だったのか。

「当社は生徒の特徴を踏まえ、それぞれに合った正しい勉強法を見いだすこと、そして学習習慣を身に付けることに注力しています。何より特徴的なのは、学習塾でありながら単に勉強を教えるのではなく、コミュニティーをつくることに重きを置いている点。

生徒は年齢や学年に関係なく状況と意欲に合わせて通うシステムで、生徒だけでなく保護者も気楽に立ち寄れる環境を整えています。オープンな場の中で、『あのお兄さんのように勉強して、〇〇高校に行きたい』と学習意欲を刺激する狙いです。PRツールにFacebookを選んだのは、機能面はもちろんのこと、『人のつながりを大切にする』という発想に深く共感したからです」(須合氏)

セミナー後の、個別相談会の様子。Facebook社員が来場者に親身になって運用上の悩みを聞き、解決策を提案した

最初はページの閲覧数が伸びず苦しんだ須合氏。しかし自分のやり方に自信を持って、毎日さまざまな記事を投稿していくうちに、だんだんターゲットの反応が見えてきたと語る。

「例えば当社の『40代、共働き、子どもを2人持つ女性』という顧客のペルソナに絞って広告を出稿したところ、一気に反応が増えました。彼女たちの日常に寄り添い、悩みを解決するような記事だと、かなり引きが強い。予算も、記事ごとに数百円単位で細かく設定できるので戦略を立てながら出稿できて便利です。費用対効果は非常に高いと感じています」(須合氏)

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