企業と顧客の関係「サブスク」で劇的に変わる いかにユーザーに寄り添い選び続けてもらうか

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――現状ではBtoCのサブスクリプションに注目が集まっていますが、BtoBのサブスクリプションもこれから増えていくのでしょうか。

そもそもサブスクリプションは、BtoBにこそ向いていると考えています。BtoCだと、ユーザーは前触れなく突然解約することが少なくありません。けれどもBtoBの場合は継続利用が前提で、ユーザーがサービスに不満を感じてやめようと考えたときは必ずクレームを言います。そこで提供側の企業は、サービスの改善点を発見できますし、対応できるからです。

例えば、金額の大きなものを購入すると資産になるのでBS(貸借対照表)が重くなって経営の負担になることがありますよね。それをサブスクリプションモデルにすれば、保有資産になりませんし、支払いが平準化されて財務や税務処理が単純化するというメリットもあります。

新しい設備とかオフィス家具などをサブスクリプションモデルで契約すれば、イニシャルコストがぐっと抑えられます。私はモノ系のサブスクリプションは難しいと思っていましたが、今は修復や復旧の技術が非常に高度になっており、実際に家具などのサブスクリプションもうまく回り始めましたね。

――サブスクリプションは、これからまだ進化していくのでしょうか。

「サブスクリプションの次に何がくるか」とよく質問されますが、私は従量制のサブスクリプションが拡大するだろうと考えています。いずれにせよモノを売った後、あるいはサービスを提供した後の世界に目を向け、どこまでユーザーに寄り添えるようになれるか、今は大きな転換期にあります。よほど強いブランド力やロイヤルティーを持っている企業以外は、ここで転換できないと先行きは相当厳しくなるのではないでしょうか。

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