IoTの導入をサブスクリプションで支援 中堅・中小企業に利用しやすいサービス登場
IoTを活用し、業務の効率化やサービスの改善、競争力の強化などを実現したいと考えている企業は多い。しかし、IoT導入の技術的な難しさや導入コストの高さ、手間の多さなどから二の足を踏んでいる企業は少なくないだろう。
そうしたIoT導入のさまざまな課題を解消するものとして、今「IoT SELECTION connected with SORACOM(以下、IoT SELECTION)」が期待を集めている。
リース大手の東京センチュリーが、IoT通信プラットフォームを提供するソラコム、サブスクリプション統合ツールを開発提供するビープラッツと協業して立ち上げたマーケットプレイスだ。企業が「IoT SELECTION」のウェブサイトから、必要なIoTソリューションを選択して、サブスクリプション契約で導入できるというものである。
いずれも実務レベルで実績のあるIoTソリューションばかり。しかも、デバイス、通信、アプリサービスがパッケージ化されているため、すぐに利用を開始できるのが大きな特徴だ。サブスクリプション契約のため、月額課金で導入費用も抑えられることから、大企業だけでなく中堅・中小企業も利用しやすい。また期限を区切って数カ月だけテスト的にサービスを利用することも可能である。
デジタルビジネスに力を入れてきた東京センチュリー
このような新しいサービスを、なぜリースビジネスを主力とする東京センチュリーが始めたのか。この問いに、同社の取締役 常務執行役員の成瀬明弘氏はこう答える。
「当社は今、サブスクリプション事業を強力に推進しています。お客様に対し、全社を挙げてサブスクリプションでビジネスモデルを変革することを提案しているのです。IoTは、世の中を変革するとともに、サブスクリプションを進化させる力を持っています。しかもサブスクリプションには、リースビジネスの新しい可能性を開く力がある。IoTを導入したいと考えながらも、アセットは持ちたくないと考える企業が多くあり、アセットはリース会社に持ってほしいというニーズがあるのです。その点はもともと当社の得意とするところであり、そういった意味でサブスクリプションとリースは親和性が高いと考えています」
リース会社の中でも、いち早くデジタルビジネスに力を入れてきた東京センチュリーならではの強みも影響している。同社情報機器第二部デジタルビジネスグループ次長・森島隆弘氏は話す。
「当社は、1980年代からコンピューターなどの情報通信機器を取り扱ってきました。国内リース事業分野にはIT専門部隊もおり、IT系ビジネスをされているお客様と交渉する機会も多いので、IT言語に強い営業も育ててきました。もちろん市場やお客様の変化に適応するように、技術や知識も進化させ続けています。そうした積み重ねがあったからこそ、今回の協業が実現できたのです」