マイナンバーカードはデジタル社会の必需品 IT化する国民生活を支えるインフラとは?

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レンタル店で会員になるときやチケットの転売が禁止されているコンサートの入場時など、最近は顔写真付きの身分証明書の提示を求められる機会が増えており、免許証やパスポートを持っていない人は、複数の本人確認書類を要求されることがある。その点、マイナンバーカードは誰でも簡単に取得できるうえ、顔写真付きの公的な身分証明書として利用できる。若い世代のクルマ離れや海外旅行離れが進む中、マイナンバーカードがあってよかったと実感する人は今後、さらに増えていくだろう。

病院での会計時の待ち時間が軽減される?

こうしたメリットに魅力を感じない人でも、来春以降はマイナンバーカードを取得したくなるに違いない。マイナンバーカードの普及促進につながる2つの大きな施策が予定されているからだ。

1つ目は、20年度の導入が予定されている「マイナポイント」。

消費税率引き上げに伴う個人消費の落ち込みを防ぐ対策と位置づけられており、マイナンバーカードの取得後、専用のマイキーIDを設定してポイントを購入すれば、国の負担でポイントが上乗せされる。

「所得や年齢などの条件はなく、マイナンバーカード取得者なら誰でも利用できるようにしたいと考えています。具体的な仕組みや金額が決まるのはこれからですが、例えば、1人当たり5000円のプレミアムポイントが付くとしたら、4人家族で2万円分のポイントが上乗せされることになります。ポイントは、民間のキャッシュレス決済事業者を通して使用する方向で議論が進んでいます」

2つ目は、21年3月から開始される予定の「健康保険証としての利用」だ。

医療機関は、窓口でマイナンバーカードの顔写真で本人確認をし、ICチップを読み取ることで医療保険資格を確認できるようになる。

「外来を自動受付機で行う医療機関が増えていますが、月が替わったときなど、結局は保険証を持って窓口に並ばなくてはいけないことがよくあります。健康保険証がマイナンバーカードとワンカード化すれば、そのようなことはなくなるでしょう。将来的には、ICチップを活用して、診療費の支払いがクレジットカードから引き落とせるようになるなど、キャッシュレス化するかもしれません。そうなれば、患者さんが不満を抱く会計時の“待ち時間の長さ”は軽減されるはずです」

近い将来、国民の利便性を考えると、行政機関の窓口で行われている手続きなどがすべてスマホで完結する時代が来るはずだ。すでにAndroid(19年8月30日時点で81機種に対応)でマイナンバーカードを読み取れるようになっており、今年中に一通りの機能がiPhoneにも対応する予定になっていることを考えると、本人確認にはマイナンバーカードが必須となるだろう。

民間でも、マイナンバーカードを使った本人確認の仕組みを活用すれば、ネット銀行でのお金のやり取りなど、さまざまな取引が、簡単かつ安全にできるようになる。ただ、ビジネスの観点から考えると、マイナンバーカードの取得者数が3000万~4000万人程度にまで増加しなければ、民間企業がマイナンバーカードに関する投資をするのは現実的ではないといわれている。

「IT化する国民生活を支えるインフラとして、マイナンバーカードが担う役割はますます重要になってくるでしょう。便利な暮らし、よりよい社会を実現するために、多くの国民にマイナンバーカードを取得していただきたいと考えています」

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