BI&CPM:Board Intelligenceフォーラム2019 統合事業計画で実現する経営管理高度化

拡大
縮小

事例講演
ビジネスシナリオを支えるBoard
年計・月次推定の計画立案

ニッセイ
経営企画部
ITアドバイザー
吉田 鋭一氏

ニッセイの吉田鋭一氏は、Boardの活用事例を紹介した。同社は、2015~16年にかけて基幹システムにSAPを導入。その予実管理に使う、年度の販売計画、月次利益推定時の販売計画を品目別に立案する必要があり、Boardを採用した。販売品目は標準品だけでも17万品目あり、加えて特注品も扱う。品目中分類ごとの計画からさらに品目ごとの計画に展開する作業はスプレッドシートを使ってできるものではなく、Board上で中分類の計画を按分して品目別計画を策定することで、SAPの稼働にこぎ着けた。

SAP導入後、限られた時間内で質の高い計画作成ができているのはBoardのおかげだという。しかしながら、計画立案の精度にはまだまだ改善の余地があり、変更に伴うコストのロスを抑えることは可能だとし、今後はBoardの予測機能を使った計画精度向上にも取り組みたいとしている。「AIの進化などを考えると、今こそ企業は予測能力を身に付ける必要があると思う。データに基づく業務プロセスの改善を進めていきたい」と語った。

クロージング
デジタル時代のEPM
~求められる経営情報とその拡張

日本CFO協会
主任研究委員
アカウンティング アドバイザリー マネージングディレクター/公認会計士
櫻田 修一氏

アカウンティング アドバイザリーの櫻田修一氏は、多くの日本企業が連結経営管理プロセスに問題を抱えていることを示す日本CFO協会の調査を紹介。経営管理を改善するポイントとして、業績管理プロセスを会社・事業・部門または個人の3つのレベルで考えることや、経営情報を拡張し、統合・標準化することを挙げた。

具体的には、経営意思決定を「現在の先行指標からの冷徹な将来予測と目標・計画との乖離を埋めるためのもの」と定義して、財務情報などの成果指標だけでなく、先行指標も重視。社内の財務・非財務情報に加え、市場・潜在顧客、社会・経済・環境、外部人材などの外部情報の収集・活用を促した。

日本企業の情報・組織の分断問題に対しては、CFO直下に経営企画、経理財務、そして事業企画の融合組織を事業部や子会社に設置することと、理想的には情報基盤としての基幹システムのグループ全体での統合が望ましいが、基幹システム統合は難易度が高く、導入期間も長期化、コストも増大するため「経営管理プロセスの改善を早期に推し進めるためにはBoardのようなツールで、まずデータの統合を実現する必要がある」と語った。

お問い合わせ