ハーバードで聞いてみた「デキる子の共通点」 成績優秀者の親が実践する「子育ての公式」
学生とのインタビューは格好の糸口になったが、子育ての一端をうかがい知ることしかできなかった。私たちは2人で、プロジェクト参加者に大学卒業後に改めてインタビューを行い、それ以外の場で知り合った一流人にももう一度話を聞いた(インタビューの時点で、1組の双子を除き全員が20~40代だった。双子は50歳になったばかり)。
その結果、彼らを育てた張本人、つまり優秀な人の親にも話を聞くことになった。
能力に関係なく、子どもを成績優秀者に育てる方法
私たちが話を聞いた親を、「子育ての達人」と呼ぶことにする。といっても、彼らが最初から子育ての秘訣を全部知っていたわけではない。わが子が秘めた可能性を引き出す方法を巧みに見つけ出したからだ。
達人の多くは一流の学校で学んだわけではなく、高校さえ卒業していない親もいた。
彼らが人と違うのは、親自身は凡人でも、大きな目標と使命感をもった、自分の頭で考える賢い子どもを育てるため努力を惜しまなかったことだ。
教育水準が高くても低くても、子育ての達人はみんな、子どもが5歳になるまでに簡単な数の概念と文字の読み方を教えていた。また、子どもを対等に扱い、子どもの意見を尊重し、何か質問されればよく考えたうえで答えていた。
貧富の差に関係なく全員が熱心に子どもに関わり、ビジョンを示していた。地位や財産にかかわらず、誰もが必死に時間を見つけお金をやりくりして、子どもがいい成績をとれるよう手助けしていた。達人の原動力は自分の体験にあった。親自身の生いたちを参考に、子どもに将来どんな力を身に付けてほしいかを考えていた。
けれど何より大切なことに、自分の夢――かつて親自身が目指して挫折した夢――を子どもに押しつけることは決してなかった。
ひと言でいうと、子育ての公式の基本は、子どもが力を発揮し幸せな人生を送れるよう、狙いをもって選択することだ。この公式を使って、次の8つの「役割」を通じて子どもの力を伸ばし、将来成功するための準備を整える。
紹介役/哲学者/お手本/交渉相手/GPS
といっても、すべてをいっぺんにこなして、スーパーマンになる必要はない。誰でもこの公式を身に付ければ、しっかり活用できる。必ずしもわが子を、天才音楽家やハーバード大学卒業生、リッチな一流ビジネスマンに育てられるわけではない。
それでもこの公式を使えば、本人の生まれもつ能力に関係なく、学校での成績を上げ、子どもの人生をさらに充実させることができる。
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