なぜ「PCのサブスク化」に舵を切ったのか グローバルIT2社の協業による新サービス

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――あらゆる業種・業態からの引き合いがありそうですね。

國持 「DaaS」は企業規模にかかわらず、幅広い業種・業態でご利用いただくため、1台から使えるようになっています。サーバーを設置する必要がなく、グループウェアを含めたプラットフォームを購入したタイミングから利用できるので、専任のIT管理者を置けない中堅・中小規模の企業や団体に、とりわけ大きなメリットがあると考えています。

日本マイクロソフト
業務執行役員
パートナー事業本部
Surfaceビジネス本部 本部長
滝本 啓介

滝本 多くの企業では今、働き方改革が課題になっていますが、今後、労働人口が減少していくと予想されている中で、企業はメイン事業に人材を集中せざるをえず、IT管理に人を割けなくなるはずです。そんなとき、直接売り上げを生まないPC周りをまとめて任せることができ、契約を継続すれば自動的に新しいソフトとハードが提供されるサービスがあったとしたらどうでしょう。自分たちは本業のビジネスに集中できるメリットは非常に大きいと思います。

海外のベストプラクティスでサブスク市場を広げていく

――なぜ、3年または4年での契約を基本とされているのでしょうか。

シネックスジャパン
代表取締役社長
國持 重隆

國持 企業はPCを5年程度で買い替えることが多いのですが、PCのパフォーマンスは3年周期で指数関数的に上昇します。つまり、PCを5年使用する企業は、2年古いPCを使っているわけです。一方で、「Surface」のようにハイスペックでスタイリッシュなPCを好む層は2年程度で買い替える傾向があり、「DaaS」はこの両方のポイントを満たせるよう、3年または4年の契約を基本としました。契約期間を用途に応じて調整することで、「Surface」の採用が増えている教育機関での活用も促進していきたいと考えています。

滝本 現在、教育現場では教育のデジタル化に力を入れていて、とくに大学では「Office 365」を使ったコラボレーションやコミュニケーションを行うなど、授業の生産性向上が図られています。クラウドとの親和性が高く、専用のペンでノートを取ったり、タッチスクリーンを活用できたりする「Surface」は、大学においても大変ご好評をいただいていて、「DaaS」でさらに普及を促進していきたいです。

――今後の展望についてはいかがでしょう。

滝本 これまで、ハードウェアのサブスクリプション導入には抵抗感があったと思いますが、現在はスマホをはじめ、月額課金でサービスを利用することに、社会全体が慣れてきました。「DaaS」は、こうした変化に対応したサービスともいえます。これからのクラウド時代に合わせ、最新のソフトとハードを利用できる「DaaS」をどんどん展開し、ハードウェアのサブスクリプション市場を広げていくことが重要だと考えています。

國持 今回の協業が実現したのは、グローバルでマイクロソフトとシネックスの強固な信頼関係があったからです。「DaaS」は、すでに米シネックスが提供しているサービスを日本に導入したものです。今後も海外でのベストプラクティスを、マイクロソフトと協業しながら日本に導入していきます。