やみくもな「脱プラスチック」が見当違いなワケ G20でも争点となった「プラごみ」問題

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先のG20サミットでも大きなテーマの1つとなった、プラスチックごみ問題。廃棄されたプラスチックが深刻な海洋汚染の原因となっていることから、国内外のメーカーが、プラスチックごみの削減に向け、活動を活発化している。

レジ袋やストローと並んで、プラスチックごみ問題で俎上に載せられやすいのがペットボトルだ。しかし、ペットボトルを取り巻く日本の現状を見てみると、意外な事実が見えてくる。

リサイクル率は米国の4倍、欧州の2倍も高い

まず、そもそもプラスチックごみにおけるペットボトルの割合は低い。ごみとして回収されたプラスチック類のうち、ペットボトルの割合は14.4%。最も多いのは、弁当の容器やお菓子の袋などに使われる容器包装(67.6%)で、次いでストローなどの容器包装以外のプラスチック類(16.2%)となっている※1

そして驚かされるのが、ペットボトルのリサイクル率と回収率の高さだ。

実は、日本での清涼飲料水などに用いられるペットボトルのリサイクル率は、84.8%に上る(グラフ参照)。米国が20.9%、欧州が41.8%であることを踏まえると、非常に高い数字だ。加えて国内の指定ペットボトルの回収率に至っては92%にも上り※2、可燃物などに含まれて回収されている分を加えると、実質的な回収率は98%以上と推定される※3

※1 出典:プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識2019」
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf

※2 出典:PETボトルリサイクル推進協議会「PETボトルリサイクル年次報告書2018」表7 より

※3 出典:複数の自治体によるごみの実態調査を基に、日本コカ・コーラが推計https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20190522-12

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