お客様の「体験」という付加価値を届ける Eコマース カンファレンス 2019

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事例講演
「デジタルの力で、新しいステージへ」
~大手アパレルTSIホールディングスがモバイルファースト、オムニチャネル戦略で挑む、EC事業拡大とロイヤルカスタマーの醸成~

TSIホールディングス 執行役員
TSI ECストラテジー
代表取締役社長
柏木 又浩

アパレル大手TSIの柏木又浩氏は、オンラインと、国内外約1200の店舗を顧客接点とするオムニチャネル戦略について「顧客との接触を増やせば、ブランドに売り上げが返ってくる」と述べた。ブランド最適重視で、同社ECサイトはブランドごとに開設。さらにモバイルファーストを掲げ、使いやすいアプリ開発も推進してきた。結果、オムニチャネル顧客の年間購入額・回数は、単一チャネルの3~4倍を達成。コマースクラウドについては、同じプラットフォームを利用する海外先進企業と情報交換できるエコシステムのメリットを強調。「海外ブランドの店舗は、売り上げから顧客体験スペースに役割が変化している」と述べた。

特別講演(1)
ショップジャパンのマーケティング戦略
『ショッピング・エンターテイメント』

オークローンマーケティング
執行役員
ショップジャパン事業統括 兼
Oak Lawn Marketing International Inc. CEO & President
加藤 裕一郎

オークローンマーケティングの加藤裕一郎氏は、100億円の売り上げを生む、ショップジャパンの新製品ビジネスを語った。同社は世界中から集めた商品を独占販売する。インフォマーシャルは、認知・考慮・購買のファネルを意識し「考え抜いたコミュニケーションの段積み」で制作する。低反発マットレスの場合、ガラス板の上に敷いてボウリング球を落とすデモで驚かせてから、商品の特長を訴求、愛用者の声で共感を生み、最後に特別価格提示で、商品認知から短時間で一気に購買に結びつける。「われわれは買い物したい方に、欲しいものと、欲しくなる映像を提供する」と語った。

特別講演(2)(東京/名古屋会場)
イノベーションは偶然に生まれない
ワンカップ大関の昨日今日明日

大関
取締役商品開発部担当 兼
商品開発部長
長石 元一

大関の長石元一氏は、ワンカップの商品開発経緯や今後の戦略について話した。ワンカップは高度成長期に「日本酒の飲み方を変えよう」とコップ酒をヒントに開発。昭和40年代のレジャーブームもあり、「いつでもどこでも」の手軽さが受けてヒットした。しかし1991年をピークに頭打ちとなり、大吟醸を混ぜて華やかな香りを出すなど酒質と容量のバラエティーを拡大。さらに、ゴジラとの限定コラボ商品やSNSを使って、次世代ユーザーのターゲットとする30~40代の男女にアピールする。「機能だけでなく、情緒的価値を訴求していく」と語った。

特別講演(2)(大阪会場)
知と汗と涙の近大流
コミュニケーション戦略

近畿大学
総務部長
世耕 石弘

近畿大学の世耕石弘氏は、教育・研究力に関係ない「空気のようなブランド力」で序列化された大学の評価をひっくり返すことを目指した広報戦略を語った。大阪のお笑いのコミュニケーション力などを武器に「大阪のユニバといえば、近大やろ」といった広告、カリキュラムなどの学部情報の代わりに美男・美女図鑑などを掲載、読みたくなる内容に特化した大学案内など、ネット上での拡散を強く意識する「とがった」発信で、賛否両論の話題を巻き起こした。社会的評価が高まった大学などにランクインも果たして「徐々に地殻変動が起きている」と手応えを口にした。