有料会員登録 東洋経済オンラインとは

第1回プラチナキャリア・アワード プラチナ人材を企業の成長エンジンに

AD
  • セミナーレポート 制作:東洋経済企画広告制作チーム
テクノロジーによる産業変革と人生100年時代に備え、マルチステージで活躍できるように社員一人ひとりのキャリア形成を支援する企業を表彰する「第1回プラチナキャリア・アワード」の表彰式と記念シンポジウムが、東京・千代田区で開かれた。「プラチナキャリア」は、長期化する職業人生の充実と長期視点での企業の人材育成、AIに負けずに多様な個人のライフスタイルを実現する自律的学び、社外に目を向けた社会貢献―の3点を意識する、これからのキャリアのあり方として三菱総合研究所未来共創イノベーションネットワーク(以下、INCF)と三菱UFJ信託銀行が提唱。開会あいさつで、運営事務局を代表してINCFの小野由理氏は「企業と働き手の双方に、時代変化に合った意識・価値観の変革が求められている。アワードを通してプラチナキャリアのコンセプトを普及させ、企業の変革を促していきたい」と語った。

主催:東洋経済新報社
後援:内閣官房 厚生労働省
企画:三菱総合研究所 未来共創イノベーションネットワーク 三菱UFJ信託銀行

基調講演
プラチナ社会へのイノベーション
~プラチナキャリア実践が日本を変える~

『プラチナキャリア・アワード』
審査委員会 座長
三菱総合研究所 理事長
小宮山 宏氏

アワード審査委員会座長の三菱総合研究所理事長、小宮山宏氏は、長寿化が進み、モノや情報も手に入る21世紀に「われわれは、もっとよい社会をつくれるはず。既存の制度、マインドセットを変えて、それぞれの人が自己実現可能な、豊かで地球が持続する『プラチナ社会』に向かうべき」と述べた。日本では生産年齢(15〜64歳)人口の減少が課題とされているが、先進国では18〜20歳の働き手は少数で、生産年齢を20〜74歳と定義すれば、労働力不足とは言えないと指摘。実態に合わない制度を変え、シニアが働ける環境を整えるよう主張した。一方で、シニアのマインドを「若い世代と一緒に未来を考える方向に変える」必要性を強調。「多世代インクルージョン」の実現に向け、人々の自律的な学びを推進することを提案した。また「個人のキャリア形成を支援する企業の役割が重要になる」として、企業は、目先の損得にとらわれず「広く、長期の視点を持つよう」訴えた。

記念講演
「日本人の勝算」
~人口減少、高齢化に打ち勝つ生存戦略~

小西美術工藝社
社長
デービッド・アトキンソン氏

金融アナリストの経歴を持つデービッド・アトキンソン氏は、GDPは、人口×生産性(1人当たりGDP)であり、今後の人口減による経済へのマイナスを生産性向上で補わなければ、日本は年々増加する社会保障費を賄えなくなると警鐘を鳴らした。生産性向上に必要とされるのは、コスト削減ではなく、付加価値を高めることで、そのためには既存企業内でも、リスクを取って新しいやり方に挑戦する精神(アントレプレナーシップ)がカギと指摘。人材も技術インフラも国際的に高く評価されている日本の生産性が上がらない理由については、1人当たりGDPに直結する給与が、小規模な企業で低く抑えられていることが大きな要因と分析し、1999年以降に最低賃金を2倍以上に引き上げて生産性を高めた英国をはじめとする、海外で実績のある政策を取り入れて「最低賃金を引き上げ、異常な低賃金頼みの経営からの脱却を促せば、日本経済は復活する」と主張した。

審査委員パネルディスカッション
プラチナキャリアが求められる理由
―審査を通して得た学びと提言―

オフィスモロホシ
代表
(社会保険労務士・ キャリアコンサルタント)
諸星 裕美氏
イー・ウーマン
代表取締役社長
ユニカルインターナショナル
代表取締役社長
国際女性ビジネス会議
実行委員会 委員長
佐々木 かをり氏
東京大学大学院
経済学研究科
教授
柳川 範之氏
デジタルハリウッド大学大学院
教授
佐藤 昌宏氏
東京大学大学院
教育学研究科
教授
牧野 篤氏
(モデレーター)
東洋経済新報社
CSR企業総覧編集長
岸本 吉浩

最初に、事務局が、最優秀賞のSCSK、優秀賞の伊藤園、T&Dホールディングス、マツダ、丸井グループ、東洋経済賞のファンケルの6社について、高齢社員の活躍、副業やポスト公募制度などキャリア構築を促す仕組み、社内大学など自律的に学べる仕組み、事業を通じた社会貢献などが評価されたと説明した。

続くパネルディスカッションで、東京大学の柳川範之氏は「従業員のキャリア形成を進める企業は、短期の利益にならなくても、CSRと同様の長期目線で人材育成するカルチャーをつくることが大事」と述べた。社労士として中小企業に関わってきた諸星裕美氏は「恵まれたリソースを持つ大企業は、育てた人材を中小企業に輩出し、広く日本を活性化する意識を持ってほしい」と訴えた。生涯学習が専門の牧野篤氏は「これからは、働く人が自身を変えるために、自ら学び直すことが求められる。企業の人材育成は、その方向に社会を変えられる」と語った。エドテック(教育×テクノロジー)を使った、教育から学びへの改革を提唱する佐藤昌宏氏は「自律的に学べるアクティブラーナーを増やす仕組み」を紹介し、企業も導入可能と指摘。ダイバーシティーが専門の佐々木かをり氏は、定年延長が進む中で「定年延長か早期退職して新しい人生に挑戦するか、各自がキャリアと人生の充実を長期視点で考える」ことを提案した。

最優秀賞受賞企業スピーチ

SCSK
代表取締役
会長執行役員
最高経営責任者
田渕 正朗氏

最優秀賞を受賞したSCSKの田渕正朗氏は「ITサービスは人がすべて」と考える同社の人材育成・確保施策について説明した。IT業界は人材獲得競争が激しく、技術進化に追いつく自己研鑽も欠かせない一方、過酷な労働環境のイメージも根強い。そこで同社は、社員パフォーマンスを最大化するため、350種の研修カリキュラムを備えた人材育成体系や、届け出だけで副業・兼業を認める仕組み、専門スキル認定制度、希望者に新たな活躍の場を提供する人材公募制度などを導入し、一人ひとりの自己成長機会を積極的に提供。社内高度技術者の約半数を占めるベテラン社員活用には、成果報酬型のシニア正社員制度も創設した。また、育児・介護ニーズに応えて、リモートワークによる在宅勤務、地方センター開設による地方勤務を充実。残業も月20時間以内に抑えた。田渕氏は「社員からも働きやすい会社と評価されている。次は、働きがいを一層、高めたい」と語った。

受賞企業

代表取締役
会長執行役員
最高経営責任者
田渕 正朗氏
管理本部副本部長 兼
人事部長
松重 淳介氏
取締役常務執行役員
人事部門担当
田村 泰朗氏
人事室 副室長
豊田 裕三氏
人事部長
羽生 典弘氏
執行役員
グループサポートセンター長
永坂 順二氏