SDGsを意識した行動が未来を変えていく 持続可能な社会をつくるために、今できること

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――SDGsを取り入れるためには、どのような意識改革が必要なのでしょうか。

蟹江 まずは国連の目標だからと重く考えないことです。SDGsには世の中の方向性が書かれている。ということは、そこに新たな事業のヒントや将来のビジネスチャンスを見つけることができるかもしれない。そう考えたほうが取り組みやすいと思います。

――先生のSDGsに関する基本的な考え方とは何でしょうか。

蟹江 1つの目標がほかの目標につながるということです。つまり、1つの目標に取り組むことで、自然とほかの目標に取り組むことになる、その必要性が出てくるということです。例えば、ペットボトルの使用を減らすことは、温暖化防止にもエネルギーをクリーンに使うことにもつながっていきます。知らないうちに、多面的な視点を持つこともできるのです。その結果として新たなイノベーションを生むきっかけにもなるとみています。

――SDGsは国際的な企業競争にどんな影響を与えるのでしょうか。

蟹江 各国のSDGsに関する進捗状況についてランキングする動きが出ています。同様に企業についてもランキングする動きが出てくれば、それが株式投資をする際の1つの指標になり、ESG投資などと合わせた総合的な評価として活用されるかもしれません。欧州でもオランダをはじめ、SDGsをビジネスチャンスとして捉えている国は少なくありません。もともとSDGsは公共部門だけでなく、ビジネス部門も参加しなければ実現できないものであるといえます。むしろSDGsを積極的にビジネスチャンスとして捉えることが企業には必要だと思います。

――SDGsはステークホルダーにもよい影響を与えそうですね。

蟹江 とくに投資家に説明する際に、効果的な対話ツールになると思います。取引先や顧客にもコラボレーションやマッチング、ファンづくりといった面で、よい影響を与えるでしょう。SDGsはそれだけアピール力がありますね。

――これから日本でSDGsはどのように広がっていくでしょうか。

蟹江 日本の取り組みに対する現状の評価は70点。よいスタートができたとみています。ただ、本番はこれからです。現在の盛り上がりを継続していくためにも新たな評価基準などを活用しながら、企業はより積極的にSDGsに取り組むべきだと思います。

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