便利なクラウドの裏に隠れた「3つのコスト」 忘れられがちなコストの見通し、使い勝手…
メリット1:複数のデータセンターを自由に使える
高可用性のシステム(HA構成、High Availability構成)は、クラウドなら複数のデータセンターをまたいでも構成できる。1つの契約で複数のデータセンターをリージョンとして利用できる形態は「アベイラビリティ・ゾーン(AZ)」と呼ばれ、より安定性と信頼性の高い環境として知られている。
ここで大きなポイントは、AZを活用しても1つのデータセンターに集約しても、コストは同一だということ。またAZは、通信遅延が非常に小さければ、リアルタイム同期が必要なデータベースにも適用できる。AZを使えるクラウドは、可用性の高いシステムを構成するうえで非常に重要な選択肢だ。
隠れたコスト1:通信費用は想像以上に変動する
一般的なクラウドでは、データを取り出すときに課金される。いわゆる「アウトバウンド料金」と呼ばれる課金体系だ。しかし見落としがちなのがAZ間のデータ通信やデータセンター間の通信、そして自社とデータセンター間の通信にも課金するクラウドがある点だ。せっかく高可用なシステムを組んでも、通信のたびに課金されては、変動するコストの見通しを立てづらい。とくに扱うデータ容量が大きいほど、データ通信や同期のために大きなコストが発生してしまう。
メリット2:ベアメタルも使える
ITシステムをクラウド化する場合、覚えておきたいのが「ベアメタル」の概念だ。ベアメタルとは、ソフトウェアが何もインストールされていない、まっさらな状態のこと。多くのクラウドベンダーも、企業システムのクラウド化に対応するために近年こぞってベアメタルの提供を始めている。
とくに、セキュリティーの観点でマルチテナント型の利用やノイジーネイバー問題を避けたい企業などに、ベアメタルは根強く支持されている。