「人が集まり賑わうまち」は何が違うのか

発想の転換が迫られている企業誘致

―― 一方で、人が集まらないまち、賑わいのないまちもあります。

亀和田 未来の担い手である若い人たちが外部へ流出しているにもかかわらず、危機感が薄い地域ですね。衰退している現実を把握できていないという、その主体は行政だったり住民だったりさまざまですが、「自力ではどうにもならないのでは」と自信を失っている傾向が強い地域は危うい。

これは少子化や高齢化、人口流出が進む地域では、買い物や医療・福祉など暮らしを維持する機能が失われつつあるなかで、住民の行動範囲は狭まり、住民同士の横のつながりが希薄化する傾向にあるからです。そして、人口減少とともに地場産業の衰退などによって、地域に活力がなくなると自治体の財政が悪化し、行政サービスの質も低下していきます。人も企業もどんどん流出するという負のスパイラルにはまってしまい、まちの存続が危うくなります。

―― まちおこしに取り組んでも、一時的な盛り上がりで終わることもありますよね。

亀和田 外部のコンサルタントなどに依存しすぎるのは気をつけてほしいですね。一過性に終わらせることなく、継続的な賑わいをつくるには、外部の力の活用も1つの手ですが、あくまでも、そこに住む人や企業、自治体が能動的に関わらなければ長続きしません。地域社会の持続可能性を高めることを共通認識として持ちながら、長期的に取り組むことが必要です。

住む人、企業、自治体が能動的に関わり、地域社会の持続可能性を高めることが重要

―― まちを変えていくためには何が必要でしょうか。

亀和田 人口が減少する中、コンパクト化、スリム化を志向し、公共交通の再編によるまちづくりを推進するとともに、前述したように住民が地域に愛着と誇りを持ち、地域資源を活用、発信していくことが欠かせません。

また、根本的な問題として、若い世代の流出を抑制しなければなりません。若い世代が結婚し、家族を形成していくには子育てに優しいまちでなければいけません。さらに、地域外からの新しい人や価値観を受け入れたり、多様な働き方に対応できる場を設けたりすることも重要です。