「健康経営」導入に悩む企業注目のフィンク 従業員と組織課題にトータルアプローチ
第2の課題である解決策の設計に関しては、どうだろうか。
「当社では、フィジカル、メンタルのみならず、もう1つ大きな軸としてエンゲージメントを設定しています。エンゲージメントとは、従業員及び企業のウェルネス企業への取り組みの強さを示した指標であり、ウェルネス企業の実現には、従業員と企業が一体となって努力することが欠かせません。エンゲージメントの状態を意識した解決策を提示することは重要です」
最新テクノロジーを駆使し従業員の行動変容を促す
そして第3の課題だ。
「当社が、最も重要な課題と位置づけているのが、従業員の行動変容を促すということです。その課題に有用なのが、同じくパッケージで提供している企業向けアプリ『FiNC@WORK』です。これはすでに500万以上のダウンロード実績のある個人向けアプリをベースにしたもので、歩数や体重、食事などのいわゆるライフログの管理に加え、AI技術を活用し、パーソナライズされた情報提供や、専門家へのチャット相談などが可能となっております」
スマートフォンで使用できるこのアプリにより、従業員一人ひとりが積極的に行動変容への取り組みを加速させることができるという。さらに個人の当事者意識を高めるという点においては「FiNCウェルネスサーベイ」を活用したワークショップも有効なのだそうだ。
では、実際にサービスを利用している企業ではどのような声が上がっているのだろうか。アサヒ飲料の健康戦略部担当部長を務める鈴木学氏はこう語る。
「当社では、各組織・社員個人の健康課題を正確に把握し、″自分ごと化″しながら組織や個人の課題に寄り添った施策を導出するため『FiNCウェルネスサーベイ』とワークショップを活用しています。″健康チャレンジ″という社を挙げた取り組みを推進する中で、社員個人の健康は今後ますます重要になるため、今後もFiNCのサービスに期待しています」
FiNCでは、ほかにもヘルスリテラシーの向上を実現する「FiNCウェルネスラーニング」や、食事指導サービス「FiNCウェルネス家庭教師」、健康診断のデータを管理する「FiNCウェルネスストレージ」、「健康経営優良法人(ホワイト500)取得支援のコンサルティングサービス」などを提供している。今年6月には、健康経営と従業員満足度の関係に着目した「FiNC コンディションサーベイ」もスタート。健康経営こそが従業員満足度を向上させる重要な要素であるという考え方で、健康経営を経営課題としてクローズアップさせようとする試みだという。最後に長田氏は「今後は、健康経営の支援を通して得たデータを活用し、企業の競争力の源泉となる人への投資、それを促進する支援をしていきたいですね」と結んだ。