新潮流「専門的知見×最新テクノロジー」 デジタル人材が自由な発想で支える企業変革

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その1つが「Signal Repository」だ。これは、各地の天気や交通量、景気動向などの多種多様なデータをシグナルとして収集し、独自の予測分析を行うことで、ビジネス課題を解決する仕組みである。

例えば、英国のあるファストフードチェーンは、新店舗出店の候補地選定にあたり、KPMGに商品ごと、時間ごとの詳細な売り上げ予測の提供を依頼した。

「Signal Repository」は、各地域の需要や売り上げと相関のある約6500のデータを提供。ファストフードチェーンは、データ解析によって各店舗・地域の特長を導き出すことに成功した。これにより、候補地における新店舗開店時の売り上げ予測ができるようになっただけではなく、商品補充のタイミングや従業員のシフト調整などの最適化まで可能にしたという。

これだけ膨大なデータを多角的に解析するのはコンピューターでなければ不可能で、それを担当するのはテクノロジーのプロフェッショナルだが、解析結果をどう見るかはビジネスサポートのプロフェッショナルのナレッジがなければできない。両者の協業が必要な理由がここにある。

既存のビジネスからの脱却と新たな価値の創造

この事例のように、テクノロジー抜きでは事業が成り立たない状況が数多く生まれつつある。今できることは限られているものの、これからさらなる発展が期待できる分野であると茶谷氏は言う。

「ワインを例にとると、ブドウがあることは『データ』で、それを食べられるかどうかは『情報』です。実際に食べてみなければわかりませんから。また、ブドウを発酵させるとワインになるということが『知識』で、どんな品種と酵母、樽を用いれば世界一のワインを作れるかが『知恵』です。この4段階でいうと、現在はデータを処理するくらいの段階に過ぎませんが、今後はより難しい処理が可能になっていくでしょう。KPMGのビジネスの前線にいるプロフェッショナルは、知識や知恵に関する膨大な蓄積があります。そこを支援するコンピューターテクノロジーを作っていきたいと考えています」

既存のビジネスから脱却し、新しいデジタル技術を活用した新たな価値を創造するためには、データサイエンティストやデータエンジニアをはじめ、多様なスキルやバックグラウンドを持った人材が活躍できる場を設け、自由な発想でチャレンジできるチャンスを与えられるかどうかが重要である。「KPMGイグニション東京」には、すでにその環境が整っているといえるだろう。

「新しいチャレンジが苦にならない人、起こっている事象から自分で課題を作れる人と共に、ビジネスを楽しみたいです」

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