新潮流「専門的知見×最新テクノロジー」 デジタル人材が自由な発想で支える企業変革

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デジタルトランスフォーメーションに向けた動きが活発化する中、IT企業を中心にCTO(Chief Technology Officer)のポストを設置する企業が増えている。ただ、企業によってその役割は異なっており、期待されるだけの成果が出せていないCTOが多いのが実情だ。そんなときに助けとなる存在、テクノロジーをビジネスに落とし込む際の課題を解決するための駆け込み寺となっている、KPMGジャパンのイノベーション促進拠点「KPMGイグニション東京」の取り組みを取材した。

AIやIoT、ブロックチェーンなど、次から次へと押し寄せる新しいテクノロジーの波は、企業の経営環境を大きく変化させようとしている。その変化について、KPMGイグニション東京でパートナーを務める、茶谷公之氏は次のように解説する。

「ディープラーニングの発明以降、コンピューターサイエンスが急速に進歩しています。以前はソフトウェアを書いてコンピューターを制御していましたが、データがコンピューターを制御するというパラダイムシフトが起きました。企業は従来とは異なるコンピューターの使い方を確立する必要に迫られていて、今後はいかにデータを活用するかということが非常に重要になっています」

茶谷氏は、30年以上にわたりデジタルテクノロジーの先端技術開発と商品・サービスの市場導入に携わり、ゲームプラットフォーム企業のCTOやインターネットサービス大手のAI技術担当執行役員などを歴任。今年1月から「KPMGイグニション東京」に参画し、テクノロジー分野の中心的な役割を担っている。

KPMGイグニション東京
パートナー
茶谷公之氏

「デジタル化が加速度的に進展する中で、企業が生き残るためには、社内にあるデータ化されていない暗黙知を表面化させ、経営判断に生かす必要があります。そのためには、AIやIoT、ブロックチェーンなど、新しいテクノロジーを使ってデータをビジネスに落とし込まなければなりません。会計監査や税務、アドバイザリーサービスといった専門的知見に加え、テクノロジーのプロフェッショナルがそろうKPMGであれば、そのお手伝いができます。専門的知見と最新のテクノロジーの融合で、日本企業のデジタルトランスフォーメーションを支援していきたいと考えています」

テクノロジーのプロが必要な理由

データをビジネスに生かすフローは、F1がよい例だ。

F1をはじめとするオートレースでは、車のセンサーから膨大なデータがパドック経由で本国のスーパーコンピューターに送られ、テクノロジーのプロがリアルタイムで解析する。その結果は、パドックに送られて車体のチューニングなどに生かされる。

また、ドライバーは卓越したドライビング技術を発揮するだけではなく、マイクを通じて「後輪が滑る」といった当事者にしかわからないインサイトをパドックに送り続ける。これも解析結果と合わせてチューニングに生かされている。

KPMGイグニション東京では、最前線のプロフェッショナルがデータやインサイトを集める。それらをテクノロジーのプロフェッショナルが解析して支援し、片方のプロだけではできないことを実現していくのだ。

専門的知見と最新のテクノロジーの融合は、すでに始まっている。

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