[特別対談]
諦めてはいけない!
再建中の企業を支援する現場の最前線 東信商事

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「困難な状況においても再建中の企業を守りぬく村松先生の存在を知ることで中小企業の経営者の方は勇気づけられるのではないか」。手形割引専門の会社として80年の歴史を持つ東信商事の土屋顕太郎社長は、かねてより企業再建に東奔西走する村松謙一弁護士の思いに感銘し今回の対談が実現した。再建弁護士と手形割引の専門家という立場から、中小企業に応援メッセージを送る。

体力の弱った中小企業を
倒産させてはいけない

土屋 中小企業金融円滑化法施行の間、返済猶予を得た中小企業は全420万社のうち40万社とも言われています。同法は昨年3月に終了しましたが、金融機関の担当者の態度が急変して貸し剥がしがあったといった声は聞かれません。

村松 日本を支える中小企業の体力がいまだ弱っているとの判断があるからだと思います。ひとつの会社には従業員や取引先など、すべての方々の生活がかかっています。倒産となったら経営者は過酷な選択を迫られます。30年間、再建弁護士として金融機関と向かい合ってきましたが、会社は倒産させてはいけない。その思いで相談にあたり、またメッセージを発してきました。ようやく認識を共有できるようになったと感じています。

ノンバンクは現場の
最前線で企業を支える存在

光麗法律事務所
弁護士
村松 謙一
1954年静岡県生まれ。77年に慶應義塾大学法学部を卒業。83年に東京弁護士会登録。90年に村松謙一法律事務所開設、00年に光麗法律事務所に改名。01年に参議院「財政金融委員会」参考人を務める。倒産寸前に追い込まれた会社の再建を助ける再建専門の弁護士として、東京佐川急便や長崎屋など一部上場企業から個人商店まで、再建した会社は100を超える。『倒産阻止―再建弁護士の会社救済ファイル』(東洋経済新報社)『いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる』(角川書店)など著書多数。07、09年NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」に出演

村松 会社にはおカネという血液が流れています。経営に窮する会社からは血が激しく流れ出ています。出血死を防ぐために一時的に絆創膏を貼って止血する必要があります。それが返済の猶予を認めることを促す中小企業金融円滑化法でした。一方で止血するだけでなく、栄養がなければやはり会社は死んでしまいます。栄養はすなわち資金です。ただ、再建中の会社は銀行から融資を受けるのが難しいのが現状です。

土屋 つなぎ資金の必要に迫られた際は、自社の売掛金にまず着目し、われわれ手形割引専門会社からも資金調達をする発想をぜひ持っていただきたいのです。もちろん、融資の主役は金融機関であり、当社のようなノンバンクは脇役に過ぎません。しかし、脇役が重要な役割を果たす場面もあります。当社同様に小規模ながらも地域に根差した頼りになるそういった手形割引専門会社が全国に存在します。

 

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