[特別対談]
諦めてはいけない!
再建中の企業を支援する現場の最前線
東信商事
体力の弱った中小企業を
倒産させてはいけない
土屋 中小企業金融円滑化法施行の間、返済猶予を得た中小企業は全420万社のうち40万社とも言われています。同法は昨年3月に終了しましたが、金融機関の担当者の態度が急変して貸し剥がしがあったといった声は聞かれません。
村松 日本を支える中小企業の体力がいまだ弱っているとの判断があるからだと思います。ひとつの会社には従業員や取引先など、すべての方々の生活がかかっています。倒産となったら経営者は過酷な選択を迫られます。30年間、再建弁護士として金融機関と向かい合ってきましたが、会社は倒産させてはいけない。その思いで相談にあたり、またメッセージを発してきました。ようやく認識を共有できるようになったと感じています。
ノンバンクは現場の
最前線で企業を支える存在
村松 会社にはおカネという血液が流れています。経営に窮する会社からは血が激しく流れ出ています。出血死を防ぐために一時的に絆創膏を貼って止血する必要があります。それが返済の猶予を認めることを促す中小企業金融円滑化法でした。一方で止血するだけでなく、栄養がなければやはり会社は死んでしまいます。栄養はすなわち資金です。ただ、再建中の会社は銀行から融資を受けるのが難しいのが現状です。
土屋 つなぎ資金の必要に迫られた際は、自社の売掛金にまず着目し、われわれ手形割引専門会社からも資金調達をする発想をぜひ持っていただきたいのです。もちろん、融資の主役は金融機関であり、当社のようなノンバンクは脇役に過ぎません。しかし、脇役が重要な役割を果たす場面もあります。当社同様に小規模ながらも地域に根差した頼りになるそういった手形割引専門会社が全国に存在します。