AIセールスの時代到来 営業改革 Winter'19

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事例講演
AIを活用した営業支援
~経験、勘頼みから脱却し、AI/データドリブンによる再現性を確立~

マックスヒルズ
第一カンパニー カンパニー長
廣見 剛利氏

広告代理業、マックスヒルズの廣見剛利氏は「行きあたりばったりの営業から、AIを活用した再現性のある営業へ」の変革の取り組みを語った。同社は、13年前にSFA(営業支援システム)を導入。顧客・商談情報の収集・共有化を進めたが、分析まではできていなかった。しかし、新規顧客減少という課題を解決するために2017年からAIを導入。「AIを動かすデータを解釈可能な単位まで分解する必要があったが、思ったより早く稼働できた」と振り返った。効果は、属人的判断からの脱却、マーケティングと営業の統合、営業の再現性向上の3点。商談進捗などの判断は営業担当により異なるが、AIの商談成立可能性のスコアと照合することでマネジメントの精度が増し、営業活動の再現性も高まった。可能性の高い見込み客をAIスコアで見極めることで、営業の生産性も向上し、新規商談のアポ獲得率は、勘に頼ったベテラン営業担当よりも、AIスコアに従う新入社員の方が高くなった。廣見氏は「やみくもなテレアポの負担が、離職などにつながることもある。AIは、人の仕事を奪うものではなく、人の仕事の付加価値を高められる」と語った。

基調講演II
営業の数字を「見る」から「使う」へ
~営業マネージャーが乗り越えるべき壁とは~

TORiX
代表取締役社長
高橋 浩一氏

営業活動のコンサルティングを手がけるTORiXの高橋浩一氏は「AI活用は、使える状態のデータがシステムに入るようにすることが前提」と述べ、そのための文化づくりのポイントを話した。1つ目は「接戦」に対する組織の意識を高めること。マネジャーが接戦案件の状況をつねに担当に聞き、どんな場面でどう決着したか、という事実を確認することが真の要因分析になると指摘。「接戦の重要性を理解すれば、データの意味や質も変わる」と述べた。2つ目が「営業のエースをメンバー育成に巻き込む」こと。顧客役、営業役、オブザーバーの3者で行う15分間の社内ロールプレイングを行い、動画を撮って模範にするなど、負担をかけずにエースの力を活かす工夫を提案した。最後に「文化づくりは、トップ、現場マネジャー、企画の総力戦」と指摘。トップは課題を絞り込んで設定。それを受けた企画は、模範となるエースの取り組みに着目して施策を立案。マネジャーは、各担当がどんな活動をしているか、を入力データから把握し、指導する。これらにより「個人的成功体験に拠らずに、データを使いこなす文化」をつくるよう訴えた。

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