AIセールスの時代到来

営業改革 Winter'19

金融の与信管理にAIを使った信用スコアが利用され始めるなど、AIとデータの組み合わせは、経験豊富な専門家の目が必要だった領域まで見える化しつつある。7回目を迎えた今回の「シリーズ営業改革」では、AIが算出する商談化、成約可能性のスコアを活用した営業のやり方に焦点を当て、営業のマネジメント、人材育成、戦略のあり方などに悩みを抱える営業現場を改革する道筋を探った。
主催:東洋経済新報社
協力:セールスフォース・ドットコム

オープニング

セールスフォース・ドットコム
マーケティング本部
プロダクトマーケティング
ディレクター
田崎 純一郎氏

「AI時代の到来は、営業活動をデータにし、それを生かすことが問われる」と、セールスフォース・ドットコムの田崎純一郎氏は指摘する。大規模な営業組織ほど営業活動の抜本的見直しへの関心が高いという参加者アンケートの結果を示し、一匹狼的営業に代わって、活動報告を推進し、その見返りとして、集めたデータからナレッジを提供する「組織営業」を提案した。

基調講演I
『週刊東洋経済』
「データ階層社会」特集で伝えたかったこと

東洋経済新報社
記者
風間 直樹

『週刊東洋経済』の「データ階層社会」特集を担当した東洋経済新報社の風間直樹記者は、AIの浸透で「人々が一部のエリートと多数の『無用者階級』に分断される」とした、世界的ベストセラー『ホモ・デウス』の著者、ハラリ氏の予測を紹介。民主主義を脅かすポピュリズムなど最近の社会混乱の背景にある格差拡大は「階層社会へ深刻化するのではないか」という問題意識を示した。実際に階層社会化は現実になりつつある。シンガポールでは小学校卒業時の統一試験で、大学進学できる生徒を選別する徹底したエリート主義を採用することにより1人当たりのGDPでアジアトップを誇る経済成長を実現。「AI活用が選別主義を加速させる可能性がある」とみる。日本でも、個人情報を預かる情報銀行の準備が始まり、信用スコア事業に参入する企業も増えている。風間氏は「営業も含めてさまざまな場面でAI、データの活用は間違いなく進む」と話した。

課題解決講演
AI営業が使うテクノロジー解説
~情報武装によって変わる、セールスヒエラルキー~

セールスフォース・ドットコム
マーケティング本部
プロダクトマーケティング
マネージャー
秋津 望歩氏

セールスフォース・ドットコムの田崎純一郎氏は、気合いと根性の「昭和・体力営業」から、データで状況を事前把握し、AIが高い優先順位をつけた顧客をターゲットに選び、全体を俯瞰しながら分業と協力で攻める「AI・頭脳営業」への転換の必要性を訴えて、AI営業に使う4つのテクノロジーを説明。秋津望歩氏が同社AI「アインシュタイン」を使ったデモを披露した。第1段階のターゲティングは、リストの企業に片っ端から電話するのではなく、過去に受注できた企業の共通点をデータ分析して、狙いを定める。第2のマーケティングの段階では、施策ごとの案件化率などを算出して、効果の高いものにフォーカスして効率を高める。第3段階は、マーケティング活動で得た見込み客のフォローアップ段階では、顧客行動も含め、案件化率が高い客の特徴からAIが受注しやすさを判定。AIのスコアが高い見込み客を営業担当が優先的にアプローチする。最終の受注活動でも、担当営業の受注見込みをAIスコアと比較することで見落としていた問題の発見につなげるなど、マネジャーのフォローに役立ち、AIによる売上予測もかなり正確だ。田崎氏は「見積など営業担当の行動に加え、AIは滞留時間などの細かい変化も捉える。それを可能にするため、受注に成功した活動だけでなく、失注も含めたありのままの活動データを入れることが大切」と語った。

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