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日本の都市の国際競争力強化と都市輸出に向けて

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
都市輸出型ビジネスモデルの可能性や、日本の都市力強化とPPPの導入、日本企業のビジネス機会を考える「未来都市創造フォーラム」が11月、東京・港区で開かれた。
PwC Japan 日本代表
鈴木 洋之 氏
開会あいさつでPwC Japan日本代表の鈴木洋之氏は、人口構造の変化、新興国へのエコノミック・パワー・シフト、都市への人口集中といったメガトレンドを踏まえたビジネス戦略の重要性を指摘。「グローバル経済のメガ・コンペティションには、個人、企業だけでなく都市も巻き込まれる。今後の日本の成長のためには、優秀な人材が技術を武器に、新興国の成長力を取り込むべきだ。都市の丸ごと輸出には大きなチャンスがある」と訴えた。
【主催】 東洋経済新報社
【協賛・協力】 プライスウォーターハウスクーパース

特別講演
未来創造都市としての東京都

作家・東京都知事
猪瀬 直樹 氏

2020年の東京五輪招致の経緯を説明した猪瀬直樹・東京都知事は「オリンピック開催は、我々の心のデフレを取り払い、個人と国が前へ進むために必要な目標になる」と、その意義を語った。今後の東京の都市づくりでは、湾岸エリアの競技施設、中央環状・外環・圏央の3環状道路、空港のインフラ整備とともに、公共交通の24時間化について説明。コンサートやスポーツの試合を観客は帰る時間を気にしながら見ている、と指摘して「終電から逆算したライフスタイルが固定化され、消費も画一化されている。これを変えたい」と述べた。また「日出づる国のメリットを活かすため」標準時を早めるべきとも主張。外国企業がビジネスをしやすい環境整備、少子高齢時代の福祉のあり方など、都市力アップ施策に言及した。「東京都の水道漏水率はわずか3%で世界一。経営をきちんと成り立たせるシステム全体を輸出したい」と都市インフラの輸出にも前向きな姿勢を示した。

基調講演
都市力強化と都市ソリューションの輸出

プライスウォーターハウスクーパース パートナー PPP・インフラ部門 アジア太平洋地区代表
野田 由美子 氏

PwCパートナーの野田由美子氏は「世界の都市のリーダーたちは、グローバルベースの都市間競争で選ばれる都市を真剣に目指している」と述べ、シンガポールの「リバブル(住みよい)シティ」のほか、マレーシアや中韓、ブータン、カザフスタンなどの取り組みを紹介した。PwCの都市力比較では世界を代表する27都市中、東京は10位。アジアのトップはシンガポールで、半世紀の間に先進的都市を構築した経験をセンターに集約し、世界へと都市課題解決のノウハウを輸出する。野田氏は「日本には多様な都市モデルがあり、豊富な都市ソリューションのノウハウが眠る。単体のインフラ技術の輸出という発想を超えて都市ソリューションの輸出という視点を持つことが重要。世界の都市課題を解決し、その過程で得たノウハウにより都市力をさらに磨くサイクルを回すことが成長戦略の実現につながる」と語り、知識ハブとしての都市ソリューションセンターの創設を提言した。

招待講演
官民連携による都市・インフラの構築

国土交通省
総合政策局長
西脇 隆俊 氏

国土交通省の西脇隆俊氏は、中韓に比べて遅れている、港湾や首都圏環状道路の整備、高度成長期に年間約1万のペースで建設された橋梁等の老朽化対策が求められる一方、公共投資は96年から半分程度の水準に減っている現状を示し「PPP/PFI手法が必要になる素地がある」と述べた。国のアクションプランは、10年間で12兆円のPPP/PFI実施の目標を掲げ、官民連携インフラファンドも設立。大手町や新橋・虎ノ門地区などでの民間都市開発事業に併せた公共施設整備に加え、首都高速築地川区間の再生、関西・伊丹空港への運営権設定のように公共施設整備に民間の収益、活力を取り込む手法も探っている。また「海外の都市は、日本の経験を求めている」とアジア新興国、ロシアとの連携も進めている。「官民連携の法律・制度や資金支援はおおむね整っており、具体案件の掘り起こしが今後の課題。投資対象として支持される公的関与のシステムを作りたい」と語った。

パネルディスカッション
官民による未来都市の創造に向けて

パネルディスカッションは、東京都市大学教授の宮本和明氏、UR都市機構副理事長の内田要氏、日建設計副社長の安昌寿氏、日立製作所常務の川野薫氏が登壇。PwCの井上貴彦氏がモデレーターを務めた。

東京都市大学
都市生活学部
教授
宮本 和明 氏
UR都市機構
副理事長
内田 要 氏
日建設計
代表取締役副社長
安 昌寿 氏
日立製作所
執行役常務
川野 薫 氏
プライスウォーターハウスクーパース
ディールアドバイザリー部門 パートナー
井上 貴彦 氏

 

井上 皆さんに未来都市創造についての報告をお願いします。

宮本 バンコクでは渋滞対策に高架鉄道を建設したが、渋滞は改善しなかった。都市問題はインフラだけでは解決しない。総合計画が必要になる。

内田 URでは海外エコシティプロジェクト協議会などの事務局もしている。都市の輸出には、時間も技術も必要だが、URも貢献していく。

 業種の異なる民間20数社が連携してドバイやロシアで都市問題ソリューションをビルトインした計画を提案。海外案件獲得に取り組んでいる。

川野 社会イノベーション事業としてITと社会インフラを組み合わせた提案をしている。英国都市間鉄道プロジェクトも進めている。

井上 世界各国で進む持続可能な都市づくりで、日本の強みと課題は?

内田 日本は法律、制度づくりの段階から新興国を支援。民間にも優れた技術があり、日本は有利だと思う。

川野 海外ではメーカーが、資金や事業運営のスキームも作らなければならない。英国には車両工場を設けるが、現地化も重要な課題だ。

井上 日本の都市の競争力強化の必要性と、官民の取り組み、課題は?

 日本では木造密集地区解消など安全安心を大切にすべきだ。1969年からある都市再開発法は、よく整備された制度なので、活用してほしい。

井上 未来都市創造に向けたPPP・官民連携の課題とあり方は?

宮本 新しい事業方式が登場している。「競争的対話」も重視され、リスクを正しく理解、分担できれば、PPP/PFIの未来にプラスだ。

井上 皆様の話から、国内外の都市づくりに決まったビジネスモデルはないが、さまざまなシーズ(ビジネスの萌芽)があると感じました。

*各講演者様のご所属は、フォーラム開催日(2013年11月21日)
当時のものとなります。

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