日本の都市の国際競争力強化と都市輸出に向けて ~インフラPPPで未来の都市を創造する~
【協賛・協力】 プライスウォーターハウスクーパース
特別講演
未来創造都市としての東京都
2020年の東京五輪招致の経緯を説明した猪瀬直樹・東京都知事は「オリンピック開催は、我々の心のデフレを取り払い、個人と国が前へ進むために必要な目標になる」と、その意義を語った。今後の東京の都市づくりでは、湾岸エリアの競技施設、中央環状・外環・圏央の3環状道路、空港のインフラ整備とともに、公共交通の24時間化について説明。コンサートやスポーツの試合を観客は帰る時間を気にしながら見ている、と指摘して「終電から逆算したライフスタイルが固定化され、消費も画一化されている。これを変えたい」と述べた。また「日出づる国のメリットを活かすため」標準時を早めるべきとも主張。外国企業がビジネスをしやすい環境整備、少子高齢時代の福祉のあり方など、都市力アップ施策に言及した。「東京都の水道漏水率はわずか3%で世界一。経営をきちんと成り立たせるシステム全体を輸出したい」と都市インフラの輸出にも前向きな姿勢を示した。
基調講演
都市力強化と都市ソリューションの輸出
PwCパートナーの野田由美子氏は「世界の都市のリーダーたちは、グローバルベースの都市間競争で選ばれる都市を真剣に目指している」と述べ、シンガポールの「リバブル(住みよい)シティ」のほか、マレーシアや中韓、ブータン、カザフスタンなどの取り組みを紹介した。PwCの都市力比較では世界を代表する27都市中、東京は10位。アジアのトップはシンガポールで、半世紀の間に先進的都市を構築した経験をセンターに集約し、世界へと都市課題解決のノウハウを輸出する。野田氏は「日本には多様な都市モデルがあり、豊富な都市ソリューションのノウハウが眠る。単体のインフラ技術の輸出という発想を超えて都市ソリューションの輸出という視点を持つことが重要。世界の都市課題を解決し、その過程で得たノウハウにより都市力をさらに磨くサイクルを回すことが成長戦略の実現につながる」と語り、知識ハブとしての都市ソリューションセンターの創設を提言した。