20代から知っておきたい毛髪の教養

発毛剤と育毛剤の違いはどこにあるのか

今、発毛剤市場が活況を呈している。これまで発毛の有効成分として国内で唯一一般用医薬品として認められてきた「ミノキシジル」を配合した新商品が相次いで市場に投入されているからだ。

渡辺広明
流通ジャーナリスト

「まず、顧客の選択肢が広がったことで、市場が拡大しているのではないでしょうか」と指摘するのは流通ジャーナリストの渡辺広明氏。「男性若年層の間で清潔志向が高まっていることが理由として考えられます。さらにネットの浸透によって発毛に関する情報が入手しやすくなったことも大きいと思います」と解説してくれた。

そうした中、好調な動きを示しているのが2018年8月からアンファーが投入している発毛剤「スカルプD メディカルミノキ5」。アンファー・マーケティング本部ブランド戦略部の三山孝仁部長が次のように明かす。

「スカルプD メディカルミノキ5は発売後、計画比150%で推移しており非常に好評いただいております。実際、発毛剤への関心が高まっていると実感しています」

若年層に気づきを与えるマーケティング戦略

同社の戦略はユニークだ。20~30代の若者という新しいターゲットを意識したマーケティング戦略を展開。広告のキャラクターに草彅剛さんと香取慎吾さんを起用して若年層にアピールしている。なぜか。三山氏が続ける。

三山孝仁
マーケティング本部
ブランド戦略部 部長

「若年層に対して薄毛対策に発毛剤という選択肢があることを正しく伝える必要があると考えました。でも、発毛剤といえば、どうしてもオジサンっぽいイメージを持たれているとも認識していました。そこで、若年層に強いスカルプDのブランド力を活用すれば、そうしたイメージを払拭できると考えたのです」

渡辺氏もこう指摘する。

「マーケティング的に見ると、対象年齢を下げることで、一度気に入ってもらえばずっと使ってもらえるという効果があります。しかも、これまで未開拓だった市場を逆張り的に狙ったことも戦略的に正しいと思います」

では、同社では発毛剤が若年層に受け入れられた背景をどう考えているのか。

「草彅さんや香取さんをキャラクターに起用したCMがSNSを中心に話題を得たことも身近に感じていただけた要因になっていると思います。また若年層の中でも、とくにネット通販で育毛剤を購入されていた顧客層に受け入れていただけたと感じております。これまで発毛剤と育毛剤の違いを正しく理解できていなかった方々に気づきを与えられたことも大きかったと思います」(三山氏)

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